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西表島で会った昼の蝶

2016年10月9日日曜日

宋日昊大使、福岡訪朝団と面会

「異例の面会」北朝鮮、対話模索か 対日交渉担当トップ・宋大使、福岡訪朝団と面会



 対日交渉担当トップが発したメッセージは「警告」だった。北朝鮮の宋日昊(ソンイルホ)・朝日国交正常化交渉担当大使は5日夜、平壌を訪問中の福岡県日朝友好協会(北原守会長)メンバーと面会。北朝鮮の核・ミサイル実験に対し、日本政府が独自制裁を強化すれば「強力な措置を取る。取り返しのつかない安全保障上の危機に陥りかねない」と日本政府をけん制した。宋氏が日本の地方からの視察団と会うのは異例で、日朝対話の再開を模索している可能性もありそうだ。

■「日本とは無関係」
 「何を発言するか準備しないままここに来た」。5日夜、平壌市内のホテル。福岡県からの訪朝団と対面した宋氏は、北朝鮮を取り巻く最近の内外情勢について説明を始めた。

 対外情勢について宋氏は「米国に対抗するには核を持ち、それを米本土まで飛ばせるミサイルを持たなければならない。じっとしていたらつぶされる」と主張。その上で「最も積極的に米国に追随している」と日本政府を非難した。

 宋氏の冒頭発言は30分近くに及んだ。核心は日本政府が検討している制裁強化。「在日同胞が母国の親類に会うこともできなくするのは人権じゅうりんではないか」。宋氏は日本政府が渡航制限の対象を在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の県本部幹部にまで拡大しようとしていることなどを取り上げ、強く反発した。

 制裁強化に踏み切った場合の対抗措置にも言及し「米国に追随して安保危機を招くのか、自国民の安全を重視するのかだ」とけん制。「核とミサイルは米国への対抗策で、日本とは関係ない」と強調した。

■堪能な日本語披露
 同協会の訪朝団は4日から8日まで平壌などを訪問中。一行は福岡県内の地方議員や労組関係者ら10人で、西日本新聞などメディア2社の記者も含まれる。地方からの民間視察団でメディア関係者もいることから、日本の外務省関係者は「宋氏は恐らく出てこないだろう」とみていた。朝鮮関係者は「異例の面会であることは間違いない」という。それだけに、宋氏が現れたのは対話の糸口を探る狙いもあるとみられる。

 宋氏は日本人拉致問題などの包括的調査を決めたストックホルム合意について「日本が破棄した」との認識を示し、対日交渉が柔軟姿勢に転じたわけではない。ただ、面会後は訪朝団との会食に応じ、2時間にわたって懇談した。日朝交流に取り組む同協会に謝意を示し、「以前はよく福岡県から送られてくるミカンを食べていた」などと語った。公式の場では使わない堪能な日本語も披露した。

 一連の宋氏の対応に、北朝鮮関係者は「途絶えている対日関係を動かそうという上層部の意志がはっきりしたのではないか」との見方を示した。宋氏との懇談後、北原会長は取材に対し「日本の独自制裁強化に対抗措置を取るという強い意志を見せられ、緊張感を覚えた。一方で、国交正常化には国民の信頼関係構築が大事だとして、われわれの活動に評価も寄せられた。今後も活動を一層強化していきたい」と語った。

=2016/10/07付 西日本新聞朝刊=

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