2010年1月21日木曜日

死刑が行われなかった時代が日本にもあった。

 日本に死刑が行われなかった時期が、3世紀半もあったなんて知らなかった。
今朝、朝日新聞の「裁判員元年」の特集記事で知った。
奈良時代の724年、聖武天皇が死刑中止の詔書を出した。命は一度奪ったらよみがえらない、という観点からだ。嵯峨天皇が818年に正式に廃止して以来、3世紀半にわたり死刑がなかったそう。帝銀事件の平沢貞通元死刑囚を支援していた森川哲郎は著書「日本死刑史」に《全く奇跡のように見えるが、日本史の中のまぎれもない事実》と評した。その後、武家政治の始まりとともに死刑は復活し、現在に至る。
 今、死刑制度を維持することを望む世論は8割に達する。お互いが追いつめられている現代の社会状況で、「目には目を」の復讐劇が法廷で続いてゆくのか。いよいよ、検察側が被告に死刑を求刑するとみられる事件の裁判員裁判が予定されている。
 歴史も未来も見ようとしない素人裁判員が、感情にまかせて死刑判決に加わって行く姿は無残としか思えない。古代ローマのネロの時代じゃあるまいし。

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