2010年3月6日土曜日

ルポ 貧困大陸アメリカⅡ

 こつこつ働けばそこそこ暮らせる社会が本物社会と考えているが、今はがつがつ働くのは当然でそれでも生きていけない状況になっている。誰もが目先の成果という幻想に追いまくられて、何かをしていないと不安に陥ってしまう。出口をふさがれた若者に至っては就職すらできないという重い現実が待つ。子供への凄惨な虐待や殺人事件が絶えず、社会は崩壊過程に入る。新自由主義の果ての姿が人間の未来を奪っていると感じる。
 新自由主義の現実を書いた堤未果著「ルポ 貧困大国アメリカ」と「同Ⅱ」を買い込んだ。目次だけ拾っても読み出したくなる。「第1章 公教育が借金地獄に変わる 第2章 崩壊する社会保障が高齢者と若者を襲う 第4章 刑務所という名の巨大労働産業」
 
表紙まえがきの一部を記すとこうなる。「経済危機のアメリカでは、社会の貧困化が加速している。職がみつからず、学費ローンに追い立てられる若者たち。老後の生活設計が崩れた高齢者たち。教育や年金、医療、そして刑務所までもが商品化され、巨大マーケットに飲み込まれていく。オバマ登場で状況は変わったのか。」

この本は、どのような社会をつくれば人間の未来を保障することになるのか考える意味で、絶望ではなく希望を見いだすきっかけをつくる力を与えてくれそうだ。

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