2011年12月18日日曜日

是枝裕和監督作品「奇跡」 シネマテーク高崎











【奇跡】
少年は坂を上る。息を切らしながら
旅を終え、それでもまだ走る
なぜ?
彼が少年だから。理由はそれだけで充分だ。

冒険は楽しかった?
いや、辛かった。でも冒険とはそういうものだ。

何かを失った?
失った。でも成長とはそういうものだ。

じゃあ、何かと出会った?
うん
何と?
世界と・・・
それは「奇跡」だね
自分ではよくわからない

だから奇跡なんだよ

家の屋根が見えてきた。もうすぐ坂が終わる。
            <是枝裕和>

離れて暮らす家族の絆を取り戻すため、奇跡を信じた子供たち。九州新幹線の一番列車がすれ違う瞬間に、彼らが見たものはー。


昨日から始まったシネマテーク高崎での「奇跡」上映。上映後は是枝監督も参加してのテイーチイン、1時間ほどだったが、その内容の深さにこの映画の意義が表わされている。
とにかく、是枝監督が主役の「まえだまえだ」に惚れ込んでいることがよくわかる。
 一年に5本くらいしか映画を観ない人が、この映画だけで18回目という猛者もいれば、一年に150本ほどの映画を観ている学生、この作品に日本文化を見てとる中国人留学生、是枝作品を本人以上に分析している人などの発言は、是枝裕和監督の影響の大きさを教えている。
 上映は12月23日まで。

 夜は藤岡市鬼石町にある老舗温泉での少人数での交流会。
是枝監督と温泉に行くのは、5年前に玉村町・県立女子大での「花よりもなほ」「誰も知らない」の上映会以来。あのときは赤城温泉で茂木正夫さんがいた。しかし、映画ヤクザの土田君がいれば話はどんどん進む。
 映画の話は言うに及ばす、3月11日の地震の時には渋谷の映画館で映画を観ていたとか、立川談志との関係まで話は尽きなかった。
 是枝裕和、知性、感性は勿論、洞察力の深さに合わせ謙虚さが備わっている希有な人、今49歳、これからの10年、20年に力勝負をして欲しい人だ。

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