2013年9月7日土曜日

福島原発事故対策よりオリンピックが大事?

 2020年オリンピック開催地決定に向け日本も全力投入のようだ。
 しかし、福島第一原発からの放射能汚染水の流出が止まらない。それはレベル3(重大な異常事象)に該当するという次元をはるかに超えている。
毎日、放射能汚染水300トンが海に流出している。このまま進めばチェルノブイリ原発事故でもなかった大規模な海洋汚染に発展する。
 通常の原発の運転停止は、核燃料を原子炉建屋内に封じ込め、水を循環させて核燃料を「安定的」に管理・保管する。
 福島原発ではこの核燃料の「封じ込め・冷却」が不可能化してしまっている。
地震で全電源を失い、核燃料がメルトダウンないしはメルトスルーし、地下水を直接汚染している可能性が非常に高い。
 循環冷却が不可能になり「打ち水」方式で大量の水を毎日欠け続けるしかなくなった。その結果が、放射能汚染された水の大量発生となり、回収できない汚染水は直接、あるいは地下水と混じり海に流出する今回の事態となった。

 韓国、中国、ロシアは勿論、欧米メデイアも汚染水が流出し太平洋全域に汚染が広がることを強く警戒している。
 原発再稼働や輸出などは論外、オリンピック招致に向け、「決定するまでこの事態の報道を止めておけなかったのか」というあきれた話が自民党内ではあるが、オリンピックと原発事故収束のどちらが大切なのか。
 オリンピック東京招致が決定されれば、「原発事故は東京には関係ありません。東京は安全です」と、福島切り捨ての報道、政治が始まるのは目に見えている。
 全力を尽くしても汚染水流出の解決は相当困難な事業だ。しかし、この事故の正面からの解決なくして廃炉への道すら開けない。

 東京でのオリンピック開催は、人々の気持ちを福島原発事故の困難さから目を背けさせようとする意図ありありだ。


 

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