2013年11月10日日曜日

藤沢周平記念館から山寺へ秋の旅路

日本海・笹川流れの海岸
鶴岡市にある藤沢周平記念館
紅葉に染まる山寺のお堂
静かなたたずまいを見て芭蕉が「閑かさや」と歌った。
山寺から見た光景はよくある構図(晩秋はまたいい)
安全に上り下りできるのも参道清掃をする人のおかげ。

 一ケ月ほど前から計画していた、山形県鶴岡市の藤沢周平記念館と立石寺(山寺)への旅は決して思いつきではなかった。
しかし、天候はどうにもならない。予想では曇り、雨だったが土曜日は晴天に恵まれ、今日も山寺に登り切るまで(午前9時半頃)は曇り空だった。
 
 藤沢周平記念館に関しては同級生の新井淳一が何年か前、尋ねたが、準備不足で閉館日に行ってしまった。その話を聞いてから、行きたいと計画を立ててきた。
 藤沢の本は結構読んでいるがまだ半分にもならない。しかし、どれを読んでも、当時の人々が今、そこで生活しているように思えてくる。
 
 彼は映画やビデオもよく観た。そこに一枚の手書きの注文メモがあった。
「ドクトル・ジバゴ」、「暗くなるまで待って」、「昼下がりの決闘」そして「誓いの休暇」(ソ連映画)と書いてある。
 私は「誓いの休暇」は2度観た。藤沢周平も観たのか、と思うと
また身近に感じ、藤沢本を読みたくなる。
 しかし、記念館、藤沢作品の本や関連のグッズを何も販売していないようだ。そこで本を販売していれば間違いなく相当売れるのに、なぜ、欲のないことを、と思ってしまう。
そこも藤沢流なのだろうか。
 庄内藩校・致道館、鶴岡カトリック教会、大寶館を巡り、閑かに落ち着いた晩秋の街並みを歩いた。
 
 そして今朝は9時前から山寺登山、3度目の山寺だが、今回はそれほど千段の石段が、体調がいいのか、長く感じなかった。
 一歩一歩、「煩悩を捨て」奥の院まで行くのだが、そこで突然の雨、しかし、山の木々の葉が傘の代わりをしてくれ、それほど雨には濡れなかった。
 地内にある秘宝館も尋ねた。
仏の道は煩悩を捨て、とはいうが、そう簡単でないことは、誰でもわかる。
 一方、願えば何でも叶う「如意」という言葉もある。
煩悩を捨てた人間が何を叶えようとするのか、とその矛盾を思うようでは、まだまだ仏道の理解にはほど遠い。
やはり表裏は一体なのだろう。
 一段一段参道の落ち葉を掃除し、歩きやすくしているおばさんに会った。「仕事だからね。もう23年してますよ」
仏さんに会ったようだ。

 

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