2013年12月10日火曜日

撫順水害支援コンサート「再生の大地」

 


汪婉中国大使夫人と呼びかけ人の趙詩蔓さん
「再生の大地」合唱団









前事不忘、後事之師




 八ッ場ダム建設負担金の支出差し止めを求める裁判の控訴審第2回口頭弁論の傍聴のため東京高裁へ行った。
 着いたときはすでに地質学者の坂巻幸雄先生の証言を島田久夫弁護士が引き出していた。
 「24000年前に浅間山の前身の火山が大噴火したときの堆積物で不均質、崩壊の危険性は高い」など地滑りの危険性を証言した。現地を知り尽くした学者の話は説得力がある。
 
 群馬以外にも埼玉、千葉からも傍聴に来ていてほぼ満席、関口茂樹さんにも会った。
 それにしても島田久夫弁護士の弁護活動を中心的に担ってくれる姿には頭が下がる。
 その島田先生に、また離婚や遺産分割のもめ事の依頼をしなければならない。
 八ッ場ダムは全く不要なダムだ。4600億円の大型公共事業を止めるには、やはり多くの市民があきらめずに関心を持ち、声を上げることだろう。世論の力で裁判所や政治を動かすことはできる。判はまた世論を動かすその呼び水の性格をも持つ。
 全国の住民運動と連携し、後ろ向きの裁判所の姿勢を変えさせたい。
 タイでは国会を取り巻く巨万の民衆により、政権がガタガタになっているではないか。その姿は明日の日本だ。


 夕刻からは赤羽で開かれた「中国撫順水害支援チャリテイーコンサート」へ。
 「撫順の奇跡を受け継ぐ会」や「中国帰還者連絡会」という言葉さえ知らない人が多いが、「中帰連」こそ戦後の日中の平和推進のため力を尽くしてきた団体だ。
しかし、中期連の会員も若い人で90歳代という高齢だから、その思いを継承しようとして作られたのが「撫順の奇跡を受け継ぐ会」そして「再生の大地」合唱団。
その歌声を聞くのが目的だった。

 撫順戦犯刑務所に送られた1000人の日本人戦犯がどのように遇されたか、侵略の限り、悪逆の限りを尽くした相手の中国人により、当時の中国人より恵まれた環境での学習、医療を保障され、次第に自分たちの犯した罪に気づき、自白し謝罪する。
その過程は言葉を越える壮絶なものだった。
 当時の指導者、毛沢東、周恩来の取った寛大政策により、鬼だった人間が人間として再生する。
 許され日本に帰国した人たちが組織したのが中国帰還者連絡会。
 「共産中国により洗脳された」などと罵声を浴びても、たじろがない信念は刑務所での腹の底から、心の奥深いところで人間を見据えることができたからだろう。

〈私達は「人間ー侵略戦争ー殺人鬼-戦争犯罪-戦犯-人民中国の人道的処遇ー人間的良心の回復という数奇な共通体験から得た強い反省に基づいて、及ばずながら反戦平和と日中友好の実践を続けてきました。・・・今は更に力を集めてこの日本の反動勢力の跳梁に対抗することの、わけても若き世代に先の戦争の真実を語り継ぐことの必要性を痛感せずにはいられません。〉
・・1997年3月1日 雑誌「中帰連」発刊の趣旨

 現在、日中関係が悪くなっているが、それは現在の日本の政治指導者の定見のなさ、歴史に対する不誠実さ、人間に対するあきれるほどの偏見と差別意識などが主な原因と考える。
しかし、これらのことは必ず乗り越えられる。
昨日の催しもそれを証明している。

 
 

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