2010年2月24日水曜日

高校授業料無償化について朝鮮学校生だけを排除するな

李さんより資料をいただき、早速、富岡由紀夫、桑原功、三宅雪子議員の東京・群馬事務所へ送付した。こんなことをして何をどのように解決しようというのだろうか。あきれ果てている。

高校無償化について朝鮮学校生徒に就学支援金の支給を
排除しないことの申し入れ書
鳩山由紀夫総理大臣様
川端達夫文部科学大臣様
平野博文内閣官房長官様

 2010年2月21日の報道によれば、中井洽拉致問題担当大臣の要請を受け、4月から実施予定の高校無償化から朝鮮学校生徒を対象からはずす検討を川端達夫文部科学省大臣など政務三役が始めたと伝えられました。
 昨年10月ごろの報道では、川端文部科学相は外国人学校を含む「高校と同等」みなされるすべての学校を高校無償化すると表明されたと伝えられました。その方針が実施直前になって特定の学校のみを排除するという転換は、全く理解できることではありません。
 そもそも教育は日本という地域にすむすべての人が平等に受けられるものであり、どの学校を選ぶかは、本人あるいはその保護者が選択するものです。その選択を排除するかのような特定の学校には対象外にすることは許されることではありません。
 憲法は「ひとしく教育を受ける権利」を明記し、教育基本法でも機会均等を主要原則に掲げています。
 この観点からも政府におかれては教育の機会均等の原則に基づいて、特定の学校を排除すなどという明確な憲法違反、教育基本法違反をすることなく、高校無償化法案に明記されているように「高校と同等」みなされる朝鮮学校も含めた全ての学校生徒へ「就学支援金」を支給されますよう強く要請します。

2010年2月21日
朝鮮学校を支える会・京滋
             共同代表 仲尾 宏 末本雛子
 連絡先:〒606-8313 京都市左京区吉田中大路町6
     FAX 075-752-1055



日弁連総第98号
2008(平成20)年3月24日
内閣総理大臣 福 田 康 夫 殿
                          日本弁護士連合会
会 長  平 山 正 剛
勧 告 書
 当連合会は、学校法人横浜山手中華学園、学校法人東京朝鮮学園及び学校法人神奈川朝鮮学園並びにそれらに通う児童・生徒の各保護者の会からの申立に基づいて調査したところ、中華学校及び朝鮮学校は、自らの属する民族の言葉によりその文化・歴史を学ぶ権利をも実現するもので、確立したカリキュラムの中で安定的に教育を行ってきたものであるにもかかわらず、指定寄付金制度等の適用から排除されているものであり、また、朝鮮高級学校の卒業生ないし卒業見込生に関しては、大学・専門学校の入学試験を受験する資格の一律の認定の適用から排除されている。このことは、欧米系評価機関の認定を受けたインターナショナルスクールなどが指定寄付金制度等の適用を受けていることに比しても、また、他の外国人学校の卒業生ないし卒業見込生が入学試験を受験する資格を一律に認められていることに比しても、差別的な取扱いに当たるものであり、これらの学校に通い又は通おうとする生徒の学習権を侵害することとなるものである。
 よって、次のとおり速やかに善処されるよう勧告します。

[勧告の趣旨]
1  日本に所在する中華学校及び朝鮮学校並びにこれらと同等のいわゆる外国人学校について、所得税法及び法人税法上の指定寄付金制度の適用対象法人等に該当しないとの取扱いを改め、指定寄付金制度の本旨に従って、関連告示を改正するなどしてこれら学校が適用対象に該当するとの取扱いを行うべきである。

2  同様に、日本に所在する中華学校及び朝鮮学校並びにこれらと同等のいわゆる外国人学校について、所得税法及び法人税法上の特定公益増進法人に該当しないとの取扱いを改め、特定公益増進法人制度の本旨に従って、関連告示を改正するなどしてこれら学校が適用対象に該当するとの取扱いを行うべきである。

3  日本に所在する朝鮮学校の卒業生ないし卒業見込生の大学・専門学校の入学試験を受験する資格について、学校教育法上、「高等学校を卒業した者と同等以上(に準ずる)」とされる対象となる学校に朝鮮高級学校が該当しないとの取扱いを改め、関連告示を改正するなどして同学校がこれに該当するとの取扱いを行い、もって同学校の卒業生ないし卒業見込生が個別審査によらずとも一律に大学・専門学校の入学試験を受験する資格を得られるようにすべきである。

4  なお、上記1項及び2項の関連で、現行の私立学校助成制度が学校教育法1条に基づく認可を受けた学校と認可を受けていない学校との間の大きな格差を出現させている問題については、当連合会が既に1998(平成10)年2月20日付け勧告書をもって勧告しているところであるが、未だ改善されていないことから、この点についても引き続き改善が図られるべきであることを、改めて付言する。

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