2010年6月6日日曜日

「ヒーローショー」は相当いける映画だ

井筒和幸監督作品「ヒーローショー」をムービックス伊勢崎で観た。暴力シーンが壮絶でなかなか評価が難しいという話を聞いていたので、腰が引けていた面はあったが、久しぶりの我が井筒監督作品とあって足を運んだ。最後の時間帯のためか、観客は自分を入れて3人。しかし映画の内容は相当いいね。1970年代を描いたパッチギと違い「ヒーローショー」はまさに現代を描いている。
閉塞感一杯の社会で夢も持てずに生きている若者達の行き場のない状況をまっすぐ描く手法は井筒監督らしい。暴行をこのくらいで止めようかと思っても誰も止めてくれない。相手に憎しみすらないのに死ぬまで殴ってしまう。

 そんな事件がいろんなところで起きている現代社会を作ったのは、他でもない大人達だということを監督自身感じている。個人がバラバラにされ孤独の中で生きるしかないたてまえ社会を突き破れとの強い思いを感じさせる作品で相当いいと思う。この手の映画は観客動員となると難しいかもしれない。採算割れだがそれも監督らしい。監督をそのうち土田君が呼んでくるだろう。その時、じっくり制作の意図などを聞けると思う。

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