2012年4月13日金曜日

満開の桜のもと、諸行無常の響きあり

散歩コース東部スポーツ広場の桜も満開ということで仕事に行く前、カメラ持参で利根川沿いの公園を歩いていると、二人連れがこちらの方に来る。
今年還暦の先輩同業者夫妻だった。仕事前に夫婦で桜見物とは粋なこと。
で、「お互いもう退職年齢ですねえ」と切り出すと、それは誰も同感なのだろう。同級生の兄が倒れた、また他の彼が病気でかなりやせちゃった、などと健康問題に話の傾向がいってしまう。

 ほんの一時の満開桜はもう散り始めている。
 散る桜、残る桜も散る桜、などと感慨深くなってしまうと生きる積極性が萎えてしまいそうになる。いつか萎えてくるのも自然なものとしても、もうちょっとギラギラで生きていたい。
「ザッツ・エンタテイメント」で夢のような演技をしている役者達も今はいない。
「無言歌」で描かれている中国1960年、文化大革命の前に右派として歴史に飲み込まれた名もなき民も今はいない。
 あがいてみてもはかない、はかない。
〈願わくば花の下にて春死なむ その如月の望月のころ〉西行法師

 満開桜の散る姿 諸行無常の響きあり



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