2013年8月25日日曜日

保坂展人世田谷区長は行動する人だ。




 



デンマークのロラン島に着きました。7月2日のレオ・クリステンセンさんをお招きして講演会の様子を今日の「太陽のまちから」最新版にアップしましたので、ご覧下さい。さて、このデンマーク・ロラン島であちこちを見てまわる際のポイントは「自然エネルギー活用のための都市と地方の連携」コペンハーゲン市の自治体でも同様の取り組みをしているところがあるようです。8月上旬にひらかれた「ふるさと区民まつり首長会議」の報告を今回はお届けします。

自然エネルギー、自治体間連携で一歩を

7月下旬は大雨と不安定な天候が続きましたが、8月に入って本格的な暑さが戻ってきました。8日からは、甲子園で夏の全国高校野球大会が始まります。

 電力使用量のピークは、夏の午後1時から3時ごろにかけてとされています。法人や事業所の消費量が大きく影響するのでしょうが、「猛暑にクーラーをかけてテレビで高校野球を観戦する」といったイメージが強いのも確かです。

 2年前の春、大震災と原発事故を受けて、政府による「電力使用制限令」が出され、節電が大きくクローズアップされたことは記憶に新しいところです。当時、私は世田谷区のリアルタイム電力使用データを公開するよう、東京電力に重ねて求めました。紆余曲折をへて公表されるようになったのは、「23区内」の「前日分」のデータでした。

 震災前年となる2010年のピークは、7月23日の1336.1万キロワット。一方、7月から8月にかけての電力使用量は平均すると800万から900万キロワットということがわかりました。一般に「電力需要」とされていたものが可視化できるようになり、電力供給が逼迫(ひっぱく)するピーク時間帯には、グラフを見て、電力使用を抑制するように呼びかけることができるようになったのです。現在も、情報開示は続けています。

 さらに昨年、世田谷区では200カ所の「お休み処」を指定しました。公共施設や高齢者施設、集会室、薬局、銭湯などに人が集まれば、結果的に節電につながり、涼みながら水分を補給することで熱中症対策にもなると考え、「お休み処」を記した「涼風(すずかぜ)マップ」配りました。

 ピーク時を避けた効果的な電力使用やクールシェアによる地域内の使用量抑制に取り組んできただけでなく、自然エネルギーを活用して、交流自治体との地域間連携を強めようとも考えています。

 この3日と4日に「せたがやふるさと区民まつり」が開かれ、34万人が来場しました。世田谷区最大のイベントです。そのなかで、交流のある36自治体のうち、15人の市町村長などが顔をそろえてくださいました。

 北から順番に、青森県西目屋村長、岩手県八幡平市長、岩泉副町長、秋田県横手市副市長、山形県舟形町総務課長、福島県本宮市長、西会津町長、群馬県川場村長、埼玉県熊谷市長、新潟県十日町市長、長野県豊丘村副村長、島根県隠岐の島町副町長、香川県土庄町長、熊本県熊本市副市長、沖縄県宮古島市長の皆さんです。

 この「首長懇談会」では、私がまず、神奈川県三浦市の区有地に太陽光発電所を建設していることを紹介しました。そのうえで、「交流自治体のエネルギー事業で生まれた電気を、PPS(新電力=特定規模電気事業者)を通じて、88万の人口を抱える世田谷区が購入すことができれば」と語りかけました。小さくとも確実な一歩を刻んでいきたいとの思いを伝えたのです。

 すると、さまざまなエネルギー事業の取り組みが報告されました。

「太陽のまちから」(2013年8月6日)

「日本初の商業用の地熱発電所が運転をはじめて40年目を迎えている。さらに事業化に向けた努力をしているが、東北電力は受電する能力がなく、逆に市が多額の設備投資を求められている。国の政策で進めているのに、事業者が壁となっている」(八幡平市)

「間伐材を使った木質バイオマス発電や、川を使った小水力発電を2年後には開始したい」(川場村)

「温泉の熱を利用するバイナリー発電に取り組み、キノコを栽培した後の廃菌床の木材を使ったペレットも生産している。こうして削減した二酸化炭素の排出権をソニーに売却している」(十日町市)

「公共施設の屋根貸し事業で、市は使用料収入を得ている。また、調整池の土地を太陽光発電用地としても貸し出している」(熊谷市)

「来間島で88世帯の屋根を一軒2万円で借り、太陽光発電で島の電力をまかなう事業で年間2千万円の収益をあげている。4千世帯分の電力をまかなうメガソーラも設置。2人乗りソーラーカーを開発していてレンタカーとして使いたい」(宮古島市)

 世田谷区ではふたたび10月に会合を呼びかけ、本格的な交流から実際のプロジェクトへとつなげていく予定です。
 
 

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