2014年1月4日土曜日

映画「もうひとりの息子」、若杉冽著「原発ホワイトアウト」

「もうひとりの息子」のワンシーン





 昨年11月に買った「原発ホワイトアウト」を年末から正月にかけて読んだ。最初はフムフムという感じだったが後半は一気に読み進んだ。
 原発を推進する勢力がどのように政界、経済界に食い込み、反原発勢力の力を弱め弾圧していく様が描かれている。
 昨今の政治状況に合わせたように描かれていくので真実みさえある。
 国家公務員法違反の恣意的運用で内部告発の困難さも描かれている。
 では、原発は今後も安全性を高めての稼働ができるのか、というと、例えば、爆弾低気圧のような状況が起きた場合(いくら想定しても想定しきれない事は起こる)、事故は防げない。
《歴史は繰り返す。一度目は悲劇として、二度目は喜劇として(カール・マルクス)》を援用し警鐘を打つ。
 
 現実に東電から若い社員がどんどん辞めている状況は決して良いことではない。
 原発を止めるにしても、数百年単位で原発技術を継承することが必要だ。
 チェルノブイリ事故の現在的課題の大きなひとつも、チェルノブイリ原発を知り尽くした技術者と作業員を大量に数百年継続して確保し続けることと聞いている。
 
 映画「もうひとりの息子」を昨日、シネマテークたかさきで観た。この映画の上映最終日だった。
 湾岸戦争の混乱の中、出生時に取り違えられた2人の息子。ひとりはイスラエル、もうひとりはパレスチナ。
 18才になった息子とその家族が、厳しい政治状況の中、しかし、対立を乗り越え希望を見いだそうとする姿に心打たれた。
「これは希望の映画です」はロレーヌ・レヴィ監督の言葉。
東京国際映画祭グランプリ&監督賞作品
 
 映画「もうひとりの息子」と若杉冽著「原発オワイトアウト」で始まった一年は好スタートといえようか。

 

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