2014年6月23日月曜日

映画「そこのみにて光輝く」/シネマテークたかさき

そこのみにて光輝く

 《幾度も芥川賞候補に挙がりながら賞には縁遠く、1990年に41歳の若さで自ら命を絶った作家、佐藤泰志。発表当時よりもむしろ現代にリンクする名もなき人間たちの心の叫びが封じ込められたような彼の作品が、いま人々の心をとらえつつある。その再評価が高まる中、熊切和嘉監督の『海炭市叙景』に続き、今度は彼が遺した唯一の長編小説『そこのみにて光輝く』が映画化された。》
 どんな映画かと見だしたら、そのすごさに圧倒された2時間だった。
 生きる目的を失った主人公・達夫がパチンコ屋で出会った傷害事件で仮釈放中の拓児に連れられて行ったところが拓児の家。その家族は、無職の母、寝たきりだが性欲の強い父、そして体を売っている姉の千夏。
 どうしようもない状況だが、どん底で生きることを受け止めて生きる千夏に達夫は次第に惹かれていく。
人間の深い所をえぐり出している作品で、見終わった時は、ホッとした。
 監督は女性の呉美保だったのにも驚いた。
この時代、観ておくべき映画だ。
 《シネマテークたかさきで7月4日まで》




 

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