2010年7月23日金曜日

元死刑囚金賢姫を国賓級で遇し家族会を慰めるお気楽な政府

 あきれた話はいくつもあるが、これまたマンガのような事をする政府には、絶句しかない。
金賢姫はすでに終わった人で、彼女が拉致事件に関し、何も知らない事は周知の事実、その彼女を国賓級で招いて、「めぐみさんはきっと生きていますよ」と言わせ、家族会の人を慰める為だけに、膨大な税金を使い、果ては、遊覧飛行までプレゼントする中井と政府はどこまで腐り果てているのかと思わざるを得ない。
こんな猿芝居にも劣るイベントにはさすがの家族会も辟易だろう。全く国際社会の笑いものだ。

 北朝鮮に経済制裁ばかりしているので、外交関係は途絶した結果、こんな茶番にもならないことになってしまった。民主党政府も自民党政府と駄目さ加減の競争している場合じゃないだろう。
 特に、北朝鮮に関しては、多くの人が感情的になることに注目する必要がある。突き詰めると、言われなき差別ではなく、むしろ、「意識したくない自覚」のようなものがあることに気づく。その後ろめたさが逆に「果てしない差別」となり群集心理の中でいっそう増幅され、政治もその流れをあおるように運動していく。

 何回でも言うが、この問題を本気で解決しようと思えば、今の環境を変えなければならない。今年は「日韓併合から100年」という節目の年だ。少なくともその前後からの日本と朝鮮の歴史を少しぐらい知っておかないと対応は出来ない。植民地政策で朝鮮人をどのように扱ったのか。内鮮一体とし、言葉、名前、宗教(神道)まで強制していった。日本兵として、太平洋戦争に動員されていった。日本兵として特攻隊員になり死んでいった朝鮮人もいる。
日本人は加害者と言うことをまず一次的に自覚すべきだ。
1923年の関東大震災に際し、「朝鮮人が井戸に毒を投げ込んだ」とデマを流され数千人の朝鮮人が日本人により虐殺されたことに関し、日本政府はどれほどの真相解明をし、責任を取ったというのか。

 数年前、家族会の横田さんが韓国へ行き、拉致問題の解決の協力を求めたとき、当時ウリ党の国会議員の一人は返事を書いた。「朝鮮半島のたくさんのめぐみさんを返して」という内容だった。植民地支配の中、どれほどの朝鮮人が日本に拉致・連行されたか想像する力を持って欲しい。相手の立場になれなくて交渉などできるわけがない。

 悪意としか思えない対応ばかりしている今の状況で、事態が解決に向くはずがない。歴史に学べ。それしかない。秀吉の朝鮮侵略の後、江戸幕府は戦後処理使節として朝鮮通信使を受け入れた。江戸時代には12回の通信使が日本と朝鮮の文化、学問そして人間同士の交流に大きく寄与した歴史的事実をもっと知るべきだ。100年前は険悪な関係だったが、150年前は本当の信頼関係と国交を持っていた二つの国だ。

懸案事項を解決するための本気さが問われている。問われているのは、我々日本人とその政府だ。高校授業料の無料化に際し、朝鮮学校だけ排除するなどという姑息な事は即やめるべきだ。

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