2010年8月19日木曜日

興味深い玉村八幡宮の絵馬展  会場 玉村町文化センター

玉村町文化センターで8月28日まで開催されている玉村八幡宮の絵馬展へ行った。2度目だ。時間をとりゆっくり鑑賞した。特に「張良図」はいい。説明文を読み進むと、絵の内容が理解できる。張良は漢の三傑といわれる政治家で、周の軍師黄石公との出会いを画いた絵馬だ。
他に興味をそそったのは2枚の神功皇后と幼い応神天皇を抱く武内宿禰図。神功皇后は第14代仲哀天皇の皇后で、新羅遠征を行い、その途中で懐妊、帰国後、応神天皇を産んだとされている。その遠征のなかで仲哀天皇は死んだ。仲哀の死が2月6日で、応神の誕生が12月14日だから、ぎりぎり[10月10日]のなかに収まるから仲哀天皇の子だという言い分らしいが、父親はもっぱら武内宿禰と言うのが通説という。絵馬を奉じた江戸の時代もそうだったことがうかがえる絵馬なので大変興味深かった。
これでは万世一系はとぎれてしまう。武烈天皇のときもその代で実はとぎれた。次の継体天皇は明らかに一系の人ではない。その辺に感心を持ち、関裕二著「継体天皇の謎」を読み進めている。
また、「韓信股くぐり図」もいい。中国の名将韓信が若いとき、町の乱暴者に自分を刺すか、できなければ股をくぐれと挑発されたとき、黙ってその者の股をくぐる辱めをあえて受けた。後に大成したことから、大志を抱く者は目の前の苦労や屈辱に耐えなければならないという教えだという。
 当時も中国からの様々な教えを日本の大衆文化は受け入れていたことを示すものだ。この他にも「羅生門図」「義経弓流し図」田口7兄弟から奉納された「流鏑馬図」などたくさんの絵馬が展示されている。

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