2011年1月17日月曜日

小泉政権を上回る新自由主義政策内閣では困る

菅政権が内閣改造をした。奇しくも東京1区選出の海江田、与謝野コンビでTPPと消費税増税を企む布陣となった。
 TPPはもともと、シンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイの4ヶ国が06年に結んだ自由貿易協定が発端をなす。そこにアメリカが参加し、オーストラリアなど計9ケ国で交渉が行われており、今年11月のAPECまでの妥結を目指している。アメリカは日本の「東アジア共同体」構想を潰すためにこの道を選択したのだ。
 最大の問題点は、関税の100%撤廃、これで農業は壊滅状態になり、農林水産省の試算ですら「国内1次産業の生産高は半減する」とされる。
「食料品が安くなるから農産物自由化を」というが、このことにより、安全と労働力の再生産費を下げることで、賃金の切り下げとなる。デフレはさらに加速される。
参加する9ヶ国と日本の国内総生産を合計すると、日米両国で9割を占める。実質的には、日米自由貿易協定、本質を言えば日米経済争闘戦といえる。事実、アメリカが要求しているのは、単なる貿易品だけではない。全ての金融・サービスや労働、社会福祉分野での規制緩和を強烈に要求してくる。日本郵政が囲い込んでいる膨大な金融部門、農協などが運営している大規模共済事業(保険)などをアメリカのハゲタカ金融資本に差しだすことを要求してくる。
「労働力移動の規制緩和」がうたわれ、国境を越えた安い労働力の移動が自由になる。それがもたらすものは、日本の労働者の低賃金・リストラ・解雇・労組破壊だけでなく、アジア人労働者の強搾取・奴隷労働化の道だ。国内では外国人排斥運動などが起こり、社会はいっそう荒む。
TPPは新自由主義の最たるもの、経済を大資本の自由にさせ人間はその尊厳すら奪われていく。
 そしてTPPそれ自身が「経済のブロック化」であり、戦争への道であることを歴史から学ぶ必要がある。現に新防衛大綱にみられるように軍事大国化へと舵を切りつつある。
 菅直人首相自身が東京選挙区、所詮、地方のことには無理解なのかもしれないが、あまりにも軽薄なのにはあきれている。自民党にすらできなかった事を民主党がやってくれるなら財界は大喜びだろう。

0 件のコメント:

コメントを投稿