2011年5月30日月曜日

映画「六ヶ所村ラプソデイー」と「100000年後の安心」

話題の映画「100000年後の安心」をシネマテークたかさきで、「六ヶ所村ラプソデイー」をシネマまえばしで観た。
「10万年」は、大量高レベル放射性廃棄物を永久地層処分という方法で地下深く埋めこむフィンランドの計画を追ったもの。
廃棄物が一定量になると、施設は封鎖され二度と開けられることはない。しかし、10万年の間、誰がそれを保証できるだろうかという話。ここは危険ですよ、と表示し、語り続けることで10万年の未来まで現在の危機感は正しく届けられるだろうか。4000年前のピラミッドさえその建設の意味を我々は知らないから勝手に謎解きのように言い合うだけだ。むしろ、人里離れた山の中なのだからなにも言わず忘れさせた方がいい、という議論も本気である。それほど、時代の危機を未来につないでいくことは難しい事を教えている。
 話題の映画だから観た方がいい。
そして「六ヶ所村」は、何故、今まで観なかったのかと悔やんでしまうほどの作品だ。福島原発事故を予言しているような場面もある。
 核施設誘致に反対し続けた坂井留吉さんや花作りをしながら反核を訴える菊川慶子さん。今注目の原子力安全委員会委員長斑目春樹(当時、東大工学部原子力専攻の教授)も出ている。「原子力は安全じゃないからどこも引き受けない。しかし最後は金で、莫大な金で決着できる。原発はすごく儲かるんだよね」などと当時もふざけた事を言っていたんだ。これでも学者か。
一方、これまた注目されている小出裕章京都大学原子炉実験所助手も登場し、原子力政策を批判する。
 反対運動の強力な指導者はたしかにいない。しかし、ひとりひとりが反核を肝に据えて、つましくともその生活を営み続けるとき、大きな権力に立ち向かうことができることを示している。「ミツバチの羽音と地球の回転」の登場人物もそうだ。

 話はそれるが俳優の山本太郎が所属事務所を辞めたそうだ。理由は、原発反対を表明し、被災地の人々とつながったとき、事務所へ嫌がらせの電話が殺到し、芸能界での仕事が妨害を受け、廻りの人々に迷惑をこれ以上かけられないと思ったからという。「何も行動しなければ、僕は自分を許せない」という山本の良心と行動のどこが問題なんだ。彼は、福島の親たちが文科省職員と緊迫したやりとりをした場面に参加していた。自分の意思くらいみんな表明できなくて、原発が止められるか。

鎌仲ひとみ監督の3部作は6月も上映される。

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