2011年8月13日土曜日

酷暑の中、下之宮高侭遺跡現地説明会

まるで南国にいるようだ。子供の頃もこんなに暑かったのだろうか。広幹道の工事にあたり発掘作業が進む下之宮地区での高侭遺跡現地説明会に行った。午前10時頃からの30分程度の説明会だが、暑くて集中ができないほどだ。これから日本の夏はどうなるのだろうか。
この地区では、古代~近世に至る4面ほどの地層発掘調査をしているが、その最上位の第1面では天明3年(1783年)の浅間山の大噴火で埋もれた村の跡が発見され今回の現地説明会となった。
 天明3年から始まった噴火活動は3ケ月続き、この辺でも夜のように暗くなり、火山灰や軽石が降り積もり、一面雪景色のようになったらしい。吾妻川に流れ込んだ土砂は大規模な土石流となり勢いよく下ってきたが、下之宮に達したときは自転車程度のスピードになり、軽石の地表を真っ黒な泥流が押し包んだ。その時の民家跡が発見された。しかし、遺物がほとんど見当たらないことから、住んでいた人は荷物をまとめてどこかに避難したのだろう、との説明だった。
理路整然とした話に納得していると、先輩が近づいて耳打ちした。「石川の初恋の人がここに来ているぞ。面影があるだろう」という。視線をその方向へ向けると、うーん、確かに。もうお互い歴史の地層に入る年齢近くになって想い出せと言われても、ため息が出るだけだ。

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