2011年8月15日月曜日

「前事不忘、後事之師」 中国帰還者連絡会と撫順戦犯管理所

BSNHKで「撫順戦犯管理所」の生活と思想改造の課程が放送された。「中帰連」という雑誌を購読している者として、放送内容のバランスの良さを感じた。昨夜9時からのNHKスペシャルといい、今、我々が知っていなければならない事を放送している。制作現場の人たちの良心を感じ取れる。
 戦時中,中国人の収容所として使われていた施設に1000人近くの日本人戦犯が収容された。 日本軍に家族等を奪われた当時の中国人の日本人戦犯に対する憎しみには厳しいものがあった。
当然,虐待を受け,最後は殺されるものと覚悟していたが,管理所側は当時の中国人の食事より良いものを食べさせ、本や新聞も与えられ、運動、趣味さえも保証された生活が続いた。 中国人管理者、戦犯日本人のインタビューで当時の様子を明らかにしていく。信頼関係の醸成の中,過去の事実を自白した戦犯日本兵は罪を許され帰国した。
 帰国した戦犯達は、共産主義に洗脳された、として日本社会で受け入れてもらうのに相当苦労した。
しかし、中国側は戦犯達に政治活動の要請などは一切していない。それだけに戦犯達は帰国した現在も自らの犯した罪を深く反省し、二度と戦争はしないと誓う。
 一方,撫順戦犯管理所で日本人戦犯と向き合った中国の人たちも文化大革命の時、日本人に対し甘い態度をとった右派、として批判を受けた。しかし、両者は今も交流が続く。
 将来を見据え寛大な政策をとった当時の中国共産党,周恩来という人物の大きさをここでも感じ取れる。確かに建国当時の中国共産党は輝いていた。
 「前事不忘 後事之師」(前の経験を忘れず、後の教訓とする)



0 件のコメント:

コメントを投稿