2013年6月6日木曜日

「尖閣問題、日・中が棚上げ」でいいではないか。

 野中広務元官房長官が訪中し、田中角栄首相(当時)から「両国の指導者は尖閣諸島の問題を棚上げすることで共通認識に達した、と直接聞いた」と述べた。
 「尖閣列島は歴史的にも国際法的にも日本固有の領土であり、領土問題は存在しない」と日本政府はお経を読むように繰り返しているが、現実の日・中間の争う姿を見れば、領土問題は厳にあるではないか。
 「中国側との間で尖閣列島について棚上げや現状維持を合意した事実はない」と主張しているが、1972年9月の日中国交正常化のとき、周恩来と田中角栄はその棚上げで合意をしていることはすでに報道されている。
 田中角栄首相が尖閣の領有権を持ち出したとき、周恩来首相が「今、これを話すのはよくない。」と返した。
 1978年の首脳会談では福田赳夫首相に対し、鄧小平副首相が「我々の世代に解決の知恵のない問題は次の世代に」と発言した。
 これに対し日本政府は「尖閣諸島の領有権をめぐり解決すべき問題があることを認めた事実はない」との立場をとっている。
 そう、そういう立場をとっているだけのことだ。
国内向けに力んでみても外交力にはならない。
 事実、安倍首相、近隣の韓国、中国に行けなくて、日本に来たアフリカの首脳陣相手に外交を満展開、「成長はアフリカにあり。伸びるアフリカに投資をすべきだ」そして「アフリカに行く」などと何度も叫んでいた。
 しかし、アフリカにはすでに中国が深く食い込んでいることくらい知っているだろうに。
 「真の日本人の安倍晋三」、アフリカに行けば中国人に間違われるだけだ。メンツ潰れるぜ。
気候も彼には合わない。彼の感性としての美しい国ではないのだから。近隣の国々とキチンと付き合ってくれよ。

 単純、真っ直ぐ、深読みのできない利己的な人たちが国会議員として語る未来話に胸躍ることはない。
 むしろ野中広務のような他人への思いの深い、命に限界あることを知っている人の方が断然信頼できる。

 尖閣問題、棚上げでいいではないか。

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