2015年12月14日月曜日

お薦めの映画「みんなの学校」/シネマテークたかさき




 大空小学校が目指すは「不登校ゼロ」。特別支援教育の対象となる発達障害がある子も、自分の気持ちをうまくコントロ-ルできない子も、みんな同じ教室で学ぶ。
 ふつうの公立小学校だが、児童と教職員だけでなく、保護者や地域の人もいっしょになって、誰もが通い続ける学校をつくってきた。
 学校に行けない子、学校まで来ても教室に入れず庭に座り込んでしまう子、学校に来ても一日はいられない子、友だちに暴力をふるってしまう子。
 「そんな子はどこへ行くの。そんな子が安心して来られるのが地域の学校のはず。」と木村泰子校長は教職員といっしょに見守りながら子どもたちと向き合う。
 この取り組みは、支援が必要な児童のためだけのものではない。
 経験の浅い教師をベテラン教師が見守る。子供たちのどんな状態も、それぞれの個性として捉え、周りの子供たちは勿論、地域にとっても「自分とは違う隣人」が抱える問題をひとり一人思いやる力を培っていく。
 製作は関西テレビ放送。

 う~んとうなってしまう場面もいくつかあった。橋下徹市長の足下でも、教育の原点ともいえる取り組みを本気で実践している学校がある。
 このような実践教育を大空小学校だけでしても、中学校に進んだとたん、その子供たちは、またはじき出されてしまうのではないか、という危惧は学校も抱いているようだ。
 だから、意味のないことというのではなく、むしろ、社会全体が大空小学校のような取り組みをできるようにすることが必要ではないか。
 OECD加盟国でGDP国内総生産に占める教育費の割合が最下位レベルの日本、もっと教育に税金を投入すべきだ。
 教師を信頼し、増員し、丁寧に子供たちと向き合う環境をつくり、一面的な競争、評価で教師を分断するのではなく、教職員の自由裁量の幅を増やすことから始めなければならないだろう。
 大企業の330兆円にも及ぶ内部留保の一部を使えば相当な事ができる。
 お薦めの作品「みんなの学校」はシネマテークたかさきで12月31日まで上映している。

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