2010年11月18日木曜日

自衛隊は「暴力装置」じゃないの?

 国会審議の中で仙谷官房長官が「自衛隊は暴力装置」と発言し、野党から大きな批判を呼び、その発言を撤回、謝罪した。しかし、「暴力装置」じゃないのかなあ。戦闘機、戦車、軍艦、潜水艦、ミサイル、爆弾、地雷、数々の銃器。これらを国家が独占し、国民は寸鉄も帯びていない。国を守るためなら、他国と戦争し、国内では治安維持名目でそれらの武器でデモ隊を鎮圧する。ビルマの軍事政権の対応を見れば誰もが「暴力装置」と理解するだろうに。
 要は国家が支配する暴力は「正しい暴力=実力」と言い換え、国家に抵抗する暴力はそのまま「暴力」と言いなし、おぞましいものと印象づけているに過ぎない。ヤクザ集団を「実力団」とは言わず「暴力団」と呼ぶ事からも理解できる。自衛隊を「暴力集団」と表現したら印象悪いもんね。。抵抗する側も「実力闘争」とはいうが「暴力闘争」とは決して言わない。同じ「暴力」が権力側により行使されたときは「実力」と呼ばれ、また、反対者が行使するときはそのまま「暴力」と呼ばれる。国家が行う死刑執行は決して殺人とは言わない。しかし殺人ですよ。要は「暴力」なんです。「実力」という言葉を使える側が支配する側に当面はあることを示しているに過ぎない。しかし、「暴力装置」という言葉にものすごい反発があったと言うことは、その矛盾を実は、批判者達自身分かっているということの証。
 仙谷センセイには国会でこの際「暴力論」やクロウゼビッツの「戦争論」を満展開して欲しかったのに。

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