2011年11月28日月曜日

橋下・大阪維新の大勝と反対側の映画「人生、ここにあり」の深さ

「市役所は税金を貪り食うシロアリ」とまでこき下ろした橋下徹の大阪維新が圧勝した。「維新」は既成政党を右から突き破る体制内クーデター勢力であり、より新自由主義を推し進めようとするファシスト政治団体だ。99㌫の側にいながら1㌫のための社会を作ろうとする新しい運動の本質を見抜けなかった結果といえる。
 市役所職員はすでに白旗を揚げ「その時々の市長に務めるのが職務」などと言い出す人もいるそうだが、結果によっては、「命令に従っただけ」という弁明ではすまされないことも認識すべきだ。自らの良心に従った職務こそ求められる。軍にだって「良心的兵役拒否」の思想は生きている。

 あきれた選挙結果に気を紛らわそうと映画館に行った訳ではない。
注目の映画「人生、ここにあり」を観る時間がとれたので足を運んだだけのこと。
会場には予想を上回る観客それも若い人たちがいたのにはちょっと驚いた。世の中捨てたものじゃない。

【イタリアで天才が生まれるのは、みんなどこかいかれているからさ。言ってみれば国が巨大な精神病院みたいなもの。隔離する必要はない。】
 イタリアでは1961年、ゴリツイア精神病院長に就任したフランコ・バザーリアが患者の悲惨な状況を見、すぐに内部告発を始め、粘り強い訴えと行動で精神病に対する社会の目を変えていった。
1978年バザーリア精神保健法が成立し、精神病院の新設と入院治療を禁止し、患者と地域で共存する体制に移行した。
 イタリアの精神科のベッド数は1万床以下、入院患者数はゼロ。日本のベッド数35万床、患者数は70万人だから比べものにならない。
 
 精神病院に幽閉され厳しく管理された人々は幽閉されたことが原因の「幽閉シンドローム」にかかっていた。彼らはコミュニケーション能力や興味、欲望の喪失、攻撃性や衝動性、無気力感に覆われていた。
 バザーリアたちは「自由こそ治療だ」のスローガンのもとで、患者たちを有形無形の鎖から解き放した。
 精神病者の生きづらさを解決する方法として、連帯と協同をうたう協同組合がある。地域に支持されたこのような社会協同組合は2005年末時点で7363カ所におよぶ。
新体制推進のスローガンは「みんなよく見ればアブノーマル」、「普通」という概念そのものに疑問を投げかける深い言葉だ。
 まずは映画を観てからのお話。
 シネマテーク高崎で12月2日まで。

それにしても維新勢力にはこのような発想は全くない。
病者のための弱者のための、もっと言えば弱点も抱えている普通の人たちの痛みや悩みなどまるで考えない強者の側の政治をしようとしているから許せない。
お願いだからこんな連中に騙されないでよ。後で後悔するよ。

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