2012年4月27日金曜日

小林一茶「おらが春」から読み解く窮地の生き方

昨日は午後5時から伊勢崎プラザアリアで司法書士会伊勢崎支部(会員37人)の総会、同じ場所で6時から玉村町管理職の歓送迎会そして6時30分から玉村町文化センターでの安保教授による「小林一茶の人生と文学」の講義というわけで、歓送迎会にはちょっと顔を出す程度だった。


一茶の人生は辛酸を極めていただけにそれは深い味合いがある。
一茶、52才での初めての結婚を「五十聟(むこ)天窓をかくす扇かな」と照れも含めて歌を詠む。そして54才の時生まれた長女さとをはじめ4人の子を持つがいずれも病気や事故で早世、加えて妻菊までもが37才の若さで死んでしまう。
そのような中で書かれたのが「おらが春」1819年元旦から歳末に至る1年間の日記体文集で、当時一茶57才、長女さとは愛らしく彼の生涯のうちで最も幸福な時だった。そのさとが同年6月病気で死んでしまう。
「露の世は露の世ながらさりながら」「目出度さもちう位也おらが春」となり最後は「ともかくもあなた任せのとしの春」という句で結ぶ。
この「あなた任せ」の意味を安保教授は、「一茶は誹諧を通して自ら言い聞かせ、励まし、立ち上がろうとしている人生の達人の業」と説明する。


(青春が幸福に値するのは美しいものを見る能力を備えているからだ。この能力が失われると、慰めのない老年と凋落、つまり不幸が始まる。美しいものを見る能力を保っていれば、人生は老いない。)の言葉をヤノーホ「カフカとの対話から引用する。この調子だから、いつも満員の盛況。

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