2013年9月30日月曜日

水辺の森フェスタから高崎での集会「大地は私達の命」へ

富士子元気、女性は元気(水辺の森フェスタ)
好天の中、フェスタは盛り上がった
こちらは高崎、スパングルス、集会に勢いをつけた
市東さんの話は聴く人を圧倒する

 水辺の森フェスタは去年に続き2回目、今年も好天に恵まれ多くの参加者を得て秋の一日を楽しんだ。
 
 午後からは、高崎で「大地は私たちの命」(原発、TPP、改憲、市東さん農地を守ろう)の集会へ。
 こちらも会場一杯の参加者。
自由主義の中で吹き出した矛盾がどれほど大きなことになっているか、参加者の真剣な顔つきがよく示していた。
 空港建設、原発、TPP、沖縄基地、八ッ場ダム問題はどれをとっても国策だ。
 また正規社員と非正規社員の年間平均給与格差が遂に300万円(非正規労働者平均賃金は200万円にも満たない)とは、衝撃的な数字だ。
まして安倍政権は「国家戦略特区」構想で「解雇自由特区」の導入を検討している。
 このまま突き進めば社会は維持できなくなる。今や資本主義は行き着いてしまったと言っていい状況だ。
 これらの課題全般に取り組む態度は、国の厚い壁に対抗するには、運動の手法の違いの薄い膜を打ち破り共闘を強めることだろう。問題の根っこはひとつだから。
 
    《真の文明は人を殺さない》

2013年9月28日土曜日

芝根小学校運動会

竹取合戦へ怒濤の入場
知恵と技と力のあわせ競技で楽しい竹取合戦

 今日は玉村町の小学校5校の運動会、最高の日和といっていいだろう。
 小学校の運動会は保護者が応援に来るので毎年賑やかだが、今年も同じ光景が見られた。
 私はかけっこと竹取合戦を楽しみにしている。
団体戦の竹取合戦は、全体を見通せる力量や俊敏さそして力も必要な難しい種目。
ただただ引きずられているのではない。相手チームの人数を多く引きつけることにより、他の竹取を味方陣営に有利にするための作戦だ。
何回見ても楽しい。
 
 選挙の告示まで残り2日だが、12年議員をしていると、さすがに地元でも当てにされていることがわかる。
 しかし、道路はともかく、廃業しようとする中規模畜産農家の今後の対応は現実としてかなり難しい。
 TPP対応ばかりで廃業するわけではないが、国と同じように地域も大きな曲がり角に立たされていることは事実だ。
 

2013年9月25日水曜日

玉村町文化センターで、だいち君歌う

サイン会も大賑わい
三和食堂の打上げには貫井町長も駆けつける。

 シャンソン歌手3人が集ってのシャンソン・ライブが玉村町文化センターで行われた。
 出演者はネロ、マドカそして、だいちの3人、ネロの母は戸川昌子、マドカの父はコロッケ、そして、だいちの父は小林日出幸。
 シャンソンをじっくり聴くことのできたひとときだ。
だいち君もこのような人たちにもまれながら成長するのだろう。
 ホールは満席の盛況ぶり、天国の日出幸さんにもきっと届き、喜んでいることだろう。
 夜は三和食堂でスタッフを交えての懇親会。貫井町長、重田副町長、浅見議長、そして石川も参加しての賑やかな時間帯を過ごした。
 だいちはここから始まる。久しぶりのふるさとの味はどうだったろう。地道に歩んで欲しい。
 
《決意の唄》 作詞・作曲 だいち
 
 泣かないと決めた。
どんなに罵倒されても
深呼吸しなくちゃ 思いっきり息を吸い込んで
悪口っていうのは 悪気がなくても出てくる
わかってる。わかってるけど。
 
一人で悩んだ日々が多すぎて
苦しくて泣きすぎて眠れない夜に
一人だけではない、どうか、そう。生き抜いて、生き抜いて。
すぐそばに感じあえる孤独の中で。
 
あなたはどこにいるの?私はここにいるよ。
同じ悩みをかかげてきた心
あこがれた切ない夜には、その手を優しく捕まえて
私は、ここにいるんだよ。
 
 泣かないと決めた。
どんなに罵倒されても
深呼吸しなくちゃ 思いっきり息を吸い込んで
悪口っていうのは 悪気がなくても出てくる
わかってる。わかってるけど。
 
悩んで、「勇ましい」なんて言われたって
心の中ではずっとずっと悲しい夜に、
一人だけではない、どうか、そう。生き抜いて、生き抜いて。
この空で孤独を 感じてる時のなか
 
あなたはどこにいるの?私はここにいるよ。
同じ悩みをかかげてきた心
あこがれた切ない夜には、その手を優しく捕まえて
私は、ここにいるんだよ。
 
身体に力が入らない。苦しくて絶えられない。
「ひとりで泣く」 
多くなっていく日々が
自分をやめたくなるでしょ?
やめたっていいことはないから
あなたはなにも悪くない。さあその手を伸ばして
 
あなたはどこにいるの?私はここにいるよ。
同じ悩みをかかげてきた心
あこがれた切ない夜には、その手を優しく捕まえて
私は、ここにいるんだよ。
 
今宵の月は満月で 曇り空もひとつもないから
どこで何をかかげているかわかるでしょう。
あこがれた切ない夜には、その手を優しく捕まえて
私は、ここにいるんだよ。
 
今宵はあなたの中で。
 
 
 
 
 
 
 

2013年9月22日日曜日

元気に事務所開き

これからはこの人・小川あきら
心熱い人たちが集まってくれた
団結・ガンバローの役者衆

 暑い中多くの仲間と準備してきた町議会選挙だが、いよいよ事務所も開設しその事務所開き集会。
 ひと頃に比べ、過ごしやすくなってきたが、それでも日中は暑い。そんな中でも、午前中からポステイング、そして集会の準備と忙しく動き回った。
 4時からの集会には地元箱石や玉村全町、そしてこれまでともに国政選挙を戦ってきた仲間が結集してくれた。
 鬼石町の岩城さんの元気な顔もあった。加賀谷富士子さんも駆けつけてくれた。
 塚越紀一、角倉邦良、小川晶の3県議、眞下治之県教組元委員長、上福島の中沢経吉さん、同級生の木暮博道君の心温まる力強い激励を受け、決意表明をさせて頂いた。
 最後は団結頑張ろう、発声は土田文月青年部長。
「革命勝利に向け、で行きますか。選挙選勝利に向け、で行きますか」と聞くから、「今回は選挙戦勝利にしてよ」と答えた。
 大きな政治を語ることは必要だが、足下の小さな課題も吹き出てきている。どれも暮らしがかかっている問題ばかりで、しかもなかなかの難題だ。
 こういうことにも、しっかり対応していきたい。
 
 

2013年9月18日水曜日

辛淑玉が動いた/「のりこえねっと」設立

 
 まだ2度しか会っていないが、彼女の深い怒りとその表現方法に強く共感する者として無断転載する。
 
 
■ヘイトスピートとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク設立■その2

   -辛淑玉から支援のお願い-

はじめに
 こんにちは、辛淑玉です。
 諸先輩方と友人たちにこの文書を送ります。 ...

 私は、日本で生まれて日本で育ち、民族名を名乗り、在日三世として今日まで生きてきました。
 関東大震災を経験した祖母は、夜中になると「日本人が追いかけて来る!」と夢遊病のように歩きまわり、いまわの際には、無意識のうちに韓国語を話していました。二世の父は、心筋梗塞で倒れて事切れようとするとき、私を日本名で「節子」と呼びました。
 私は、大した能力もないのに、差別と闘って来た先輩方や友人たちの眼差しの中で、学び、支えられて今日まで来ました。国籍や民族を超えて、心の痛みを共有する人たちが私を育ててくれました。
 私にとって、在日であること、朝鮮人であること、韓国籍であることは、私の存在そのものであり、誇りなのです。そして、私にとって東京はふるさとなのです。
 50を過ぎて、やっと母や兄弟姉妹が明日の食事の心配をしなくてもいい生活を築けたと思っていたら、この社会には、私にとって厳しい風が吹き始めました。
 かつて匿名のネットの中だけで叫ばれていた憎悪の言葉が街頭で堂々と叫ばれ、「殺せ!」という言葉が飛びかい、平等を求めれば「特権だ!」と叩かれ、「抹殺しろ!」とまで言われる時代になったのです。
 そしてそれらは、在日(韓国・朝鮮人)だけにとどまらず、中国人、台湾人、被差別部落民、戦争の犠牲者たち、非嫡出子、アイヌ、福島の被災地住民、ウチナンチューと、国家が排除し棄民としてきたものすべてに向けられています。
 1947年5月3日の新憲法施行の前日に天皇最後の勅命として出された「外国人登録令」によって「みなし外国人」とされ、1952年のサンフランシスコ講和条約発効を機に、政府によって一方的に日本国籍を喪失したものとされた私たちは、基本的人権を求める権利すらないまま、今日まできました。戦後の日本国家の成立における根幹とも言える差別構造の帰結が、いまヘイトスピーチを叫びヘイトデモを行う人々なのだろうと思います。
 同じように、日米安保条約によって二級市民とされ、生存権さえ脅かされている沖縄の人々には、「ゴキブリ」「ドブネズミ」「売国奴」といった言葉が投げつけられ、原発反対を叫ぶ被災地の住民にも、「キチガイ」という、耳を覆うような言葉が吐かれています。

 右傾化する社会の中で、リベラルはことごとく姿を消しました。
 抑圧された者たちは、その不安と、マスコミによる被害者意識の醸成に過剰適応するかのように、「日本人」であることにすがり、その枠に入らないものを排除することでこの社会を壊しています。そして国家は、それをガス抜きのために放置しています。

 マイノリティにとっては、「生存権」を賭けた闘いとなりました。
 ネット上での人権侵害は、2012年には報告されたものだけでも2万件を超えました(以前は8千~9千件)。人々が恐怖と憎悪を増幅させているいま、社会の崩壊に手をこまねいているわけにはいきません。
 
 2013年9月ヘイトスピーチとレイシズムに抗う国際ネットワーク を立ち上げることにしました。
 団体名は「のりこえねっと」です。

 憎悪と人種差別主義を乗り越えるために行動する会です。
 詳細は別紙をご覧ください。
 そして、私と、この団体を支えて下さい。

 2013年9月11日
 -ヘイトスピーチとレイシ ズムを乗り越える国際ネットワーク-
「のりこえねっと」
呼びかけ責任者 辛淑玉


※9月25日は記者会見を予定。
 活動情報は、追ってお知らせします。
もっと見る

2013年9月17日火曜日

台風の中の一日

食事も終えご機嫌に一枚
今朝の五料橋から見た利根川

 台風18号の通過を受け一日中ピリピリしていた。
それにしても自然の威力のすさまじさを実感する。川は溢れ、突風により大木や家が壊され、交通網は大規模に遮断される。
竜巻が福島事故原発を襲ったらどんなことになるか想像もつかない。
 台風の影響が極めて広範囲なことにも唖然とする。自然に対する畏敬は正しく持った方がいい。
 というわけで午前中は自宅で大崎監督の映画のシナリオ「お盆の弟(仮題)」を読み終えた。

 台風が通り過ぎた午後3時頃から選挙に向けたあいさつ回りをこぼこぼ。
 利根川の増水に圧倒された。町では被害がでないからいいが、京都などでは大変な水害となっている。

 夜は事務所で仕事の整理をしていると、久しぶり(シネマまえばしで会った1週間ほど前が最後、セマクテでインドカレーを食べて以来)に土田君からの電話、「井筒監督が来るんですけど」。
 ということでいつものホルモン屋、秋山君も入れての大発会となる。
 井筒監督、相変わらずの怪気炎をあげ、今後は相当入れ込んでの映画づくりとなるらしい。どんな映画かは言えません。
ここでは言ったらおしまいよ、の世界だ。
 彼のような映画人が気楽に来る町もいいと思う。

 そして、今日、10月選挙に向けた書類の事前審査を無事終えた。午前の段階で8人目だった。いよいよ突入するぞ。
 

2013年9月15日日曜日

選挙事務所の大掃除/午後はみたけ祭り

最後の演目は八木節/みたけ祭り

 9月定例会も終わり、いよいよ10月玉村町町議選に向けての実体的準備として選挙事務所の大掃除となった。
 台風接近ということで心配したが、昨日はむしろ掃除日和で7人ほどの仲間の協力を得て、半日ほどで清掃完了。
しかし不断は農機具や車庫となっているため、埃のすごいこと。しかし阿藤後援会長の高圧掃除機で驚くほどきれいになった。後は好天日を選んで、畳や机を運び込むだけ。
 そして22日(日)午後4時からの事務所開き集会を盛り上げて、一層の運動強化を目指したい。
 すでに連合群馬の推薦が決定し、群馬県教職員組合からの推薦状も頂いた。地元を一巡し、いよいよ町全域に繰り出したい。
 
 午後からは理事長を務める社会福祉法人龍峰会主催の「みたけ祭り」に参加のため鬼石町へ。
 酷暑の夏もやっと終わり、比較的過ごしやすい時間帯での祭りとなった。
 永源寺前でのさまざまな歌や踊り、八木節、大正琴の演奏などを多くの参加者といっしょに楽しんだ。

2013年9月14日土曜日

「道州制導入に断固反対する意見書」を採択し玉村町議会閉会

      
 議会最終日は道州制導入に断固反対する意見書を採択し閉会した。
 反対討論2名、賛成討論は私がした。
新自由主義の極限たる道州制導入を国鉄分割民営化の現在の有様を示して反対した。ひとり運輸関係にとどまらず地域が疲弊し国土とそこに生きる人々が分断される。
(採決の結果は賛成11、反対4)

                意見書
《道州制導入に断固反対する意見書
 我々町村議会は、平成20年以来、町村議会議長全国大会において、その総意により、「住民自治の推進に逆行する道州制は行わないこと。」を決定し、本年4月15日には、全国町村議会議長会が「町村や国民に対して丁寧な説明や真摯な議論もないまま、道州制の導入が決定したかのごとき法案が提出されようとしていることは誠に遺憾である。」とする緊急声明を行った。
さらに、7月18日には、「道州制は絶対に導入しないこと。」とする要望を決定し、政府・国会に対し、要請してきたところである。
しかしながら、与党においては、道州制導入を目指す法案の国会への提出の動きが依然としてみられ、また、野党の一部においては、既に「道州制への移行のための改革基本法案」を第183回国会へ提出し、衆議院内閣委員会において閉会中審査と なっているなど、我々の要請を無視するかの動きをみせている。
 これらの法案は、道州制導入後の国の具体的なかたちを示さないまま、期限を区 切った導入ありきの内容となっており、事務権限の受け皿という名目のもと、ほとんどの町村においては、事実上の合併を余儀なくされるおそれが高いうえ、道州はもとより再編された「基礎自治体」は、現在の市町村や都道府県に比べ、住民と行政との距離が格段に遠くなり、住民自治が衰退してしまうことは明らかである。
 町村は、これまで国民の生活を支えるため、食料供給、水源涵養、国土保全に努め、伝統・文化を守り、自然を活かした地場産業を創出し、住民とともに個性あるまちづくりを進めてきた。
 それにもかかわらず、効率性や経済性を優先し、地域の伝統や文化、郷土意識を無視してつくり上げる大規模な団体は、住民を置き去りにするものであり、到底地方自治体と呼べるものではない。
 多様な自治体の存在を認め、個々の自治体の活力を高めることが、ひいては、全体としての国力の増強につながるものであると確信している。
 よって、我々玉村町議会は、道州制の導入に断固反対する。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。  
 平成25年 9月13日
衆議院議長   伊吹 文明 様
参議院議長  山崎 正昭 様
内閣総理大臣  安倍 晋三 様
内閣法第九条の第一順位指定大臣(副総理) 麻生 太郎 様 内閣官房長官  菅  義偉 様
総務大臣 内閣府特命担当大臣(地方分権改革)道州制担当 新藤 義孝 様                        
           群馬県佐波郡玉村町議会議長 浅見武志》

2013年9月13日金曜日

玉村町議会最終日

 2日間の特別委員会が終わり今日が議会最終日となる。この間の議論の中で課題はいくつか見えてきた。
 玉村町の給食数がこの数年間、3桁の数で減っている。子供たちの数が減っているということ。5年ほど前は、1日5000食だったのが、現在は4000食を割っている。
 一方で高齢者の数はどんどん増えている。今後の社会保障額の急激な増大に対応し、政府は自助、共助を強く押し進める。税金投入より自分で生き抜け、ということ。
しかし、格差が極めて大きくなった不公平な社会状況下で生きてきた人々に、その老後を自分の力で対応しろ、と言っても所詮無理な話だ。
 そこを解決するのが政治のはずだが、安倍政権は安全保障(戦争準備)と一部大企業の成長(利益追求)にしか気が回っていない。
 独自対応してでも高齢者福祉に寄与できる体制を町はつくるべきと思う。
 厚生労働省調査によると、日本の未来は明るい、と思っている若者は19%にすぎない厳しい現実を見据えなければいけない。  若者が希望を持てない社会がどれほど未来を暗くするか考えた方がいい。
「日本を取り戻す」などと強がりばかりの戦前回帰の右翼政権では、建前だけで、庶民にも周辺諸国にも何の利益ももたらさない。
危険なだけだ。
 
 

2013年9月8日日曜日

原発汚染水に関する安部発言は全くのでたらめだ。


「放射能汚染水を港湾内で完全にブロックする。福島では青空のもと子供たちが元気にサッカーボールを蹴っている。」などという安倍発言は全く許せない。
取り急ぎ、水島宏明法大教授の記事を無断掲載する。
<2020年の夏の五輪・パラリンピックの開催地が正式に「東京」に決まった。1964年以来、56年ぶり、2回目の五輪開催。日本時間午前5時の発表の瞬間をテレビの前で見守った人たちも多いことだろう。テレビ各局は朝から開催を喜ぶ特集を放送している。長い経済的な低迷からなかなか抜け出せなかった日本社会にあって、早くも「経済効果は3兆円」などという皮算用もはじかれている。また「アベノミクスの第4の矢が放たれた」などという経済界の声も伝えられる。アベノリンピクスなる造語も報道されている。
「自信と夢を取り戻す」という喜び一色のムードに水を差すつもりはない。
だが、東京開催決定を伝える朝のテレビニュースを見ていて、仰天したことがある。
最終プレゼンテーションにおける安倍首相のスピーチだ。
福島第一原発の状況を「The situation is under control」(状況はコントロール下にある)と発言したのだ。
「私が安全を保証します。状況はコントロールされています」。
「汚染水は福島第一原発の0.3平方キロメートルの港湾内に完全にブロックされている」。
「福島近海でのモニタリング数値は、最大でもWHO(世界保健機関)の飲料水の水質ガイドラインの500分の1だ」。
「健康に対する問題はない。今までも、現在も、これからもない」。 
東京五輪開催を望んでいる国民が大多数だとしても、首相の発言を聞いて「おいおい、いくら何でも言い過ぎでは?」と思った人は少なくないだろう。
福島の人たちや原発事故のその後に注目している人たちからみれば、明らかな「ウソ」があるのだ。
汚染水に関していえば、現在「打つ手がない」ことは明らかだ。
安倍首相が自信満々に言ったことはこれまで東電が汚染水に関して発表してきた事実とも完全に異なる。
安倍首相が言及した福島第一原発の専用港内の「0.3平方キロメートル」は、確かに堤防や水中カーテンで仕切られている。
様々なルートから外洋に出ようとする汚染水をこうした堤防などがどこまでを「完全にブロック」できているものかあやしいものだが、いろいろな議論があるのでここでは問わないことにする。
最近、問題になっている地上タンクから漏れた高濃度の汚染水の流れ出た先がこの「0.3平方キロメートル」ならば、水はひとまず港内にとどまっているので首相の発言にもまだ根拠があるといえる。
しかし実は、汚染水が流れ出た先は「0.3平方キロメートルの港内」ではない。
その外の海なのだ。
タンクからの汚染水漏れに関する東電のこれまでの会見によると、地上タンクからの排水路の側面に水の流れた跡があり、そこから高濃度の放射線が観測されていて、そこから水が流れた可能性があることを東電も認めている。
その排水路がつながっている先は「0.3平方キロメートルの港内」ではない。
外の海と直接つながっているのだ。
この点で安倍首相の説明は間違っている。
さらに「完全にブロック」がありえないことは傍証からも明らかだ。
いろいろな調査で福島沖の海底には40カ所の放射能のホットスポットが見つかっている。
「0.3平方キロメートルの港内」ではこれまで1キロあたりのセシウムが71万ベクレルというアイナメが見つかっているが、その港の外の20キロ先で捕れたアイナメからも2万5800ベクレルが検出されている。
また、東京湾でも原発20キロ圏内と同じレベルの汚染箇所が見つかっている。
こうした事実からみれば、安倍首相の発言は「よく言うよ」という感じなのだ。
歴史的に見ても、これほど大量の高濃度の汚染水が長期間漏れ続けている事態は過去に例がない。
当の安倍政権が政府主導で汚染水対策の「基本方針」を打ち出したのは最終プレゼンテーションのわずか5日ほど前に過ぎない。
五輪招致に合わせて付け焼き刃で作成した基本方針なのだ。
こうした現実を直視すると、誠実な人ならば「状況はコントロールされている」などという表現を安易に使わないだろう。歴代首相で比較するなら、原発問題にもともと詳しく、かつ、ウソをつこうとすると顔に出てしまうタイプの菅直人元首相なら、同じ表現はとてもできなかったか、すぐにばれてしまっただろう。
その意味では笑顔さえ浮かべて「私が安全を保証します」と言い切った安倍首相の厚顔はなかなかのものだ。
一国のリーダーは、たとえ多少ウソが混じっても国益を守る責務がある。
今回のプレゼンテーションでは、日本という国、その首都・東京の対外的なイメージを印象良いものにしていく責務があった。
五輪が開催されるかどうかは日本という国にとっても大きな岐路になることは間違いない。人として、というより、国を率先してアピールするリーダーの立場として、安倍首相は厚顔無恥なプレゼンテーションによって役割を果たしたという皮肉な見方もできる。
五輪開催の決定にはさらに皮肉な効果もある。
それは首相が国際的についた「ウソ」を2020年に向けて「マコト」にしなければならない宿命を背負った、ということだ。
これまで政府が本気で取り組んでこなかった汚染水や放射能汚染の広がりについて、今後、解決できければ、「首相の大ウソ」が国際的に批判されかねない。
東京五輪に向けて福島の問題は世界のメディアからますます注目される。もうこれ以上、ウソを上塗りすることはできなくなる。
また、東京都の猪瀬直樹知事らがメンバーとなる東京五輪招致委員会は「被災地の復興のため」にも東京で五輪を、と訴えてきた。ところが招致委員会の竹田恒和理事長がIOC総会の開かれるブエノスアイレスで会見した際、「東京は福島から250キロも離れているから安全」と発言。まるで「東京が安全ならばよい」とも聞こえる差別的な発言だとして福島の関係者から強い批判を浴びた。
開催が決まった以上、原発事故の収拾に加えて、被災地の復興にも本腰を入れてもらう必要がある。
もしできないなら、日本という国への国際的な信用が地に落ちかねない。
五輪開催を喜ぶだけにみえるメディアの反応を見て、マスコミのあり方もすごく気になる。
安倍首相は最終プレゼンテーションの中で、福島の汚染水問題について質問を受けた際、「新聞のヘッドラインでは大変だ、大変だと言うが、現実を見てほしい」と答えている。つまり、日本のマスコミ報道を信じるなというようなことを国際的な公式の舞台で発言している。
このことに日本のメディアはもっと怒るべきではないか。
五輪開催の喜びに沸く報道一色のなかで、安倍首相の一連の発言に「?」をつきつける報道がテレビにも新聞などのメディアに見られないのはどうしたことか。
8日午前中の各局のテレビ番組や新聞社のホームページを見ている限り、テレビは歓迎ムード一色。「経済効果は抜群」「若者に夢を与える」「被災地に元気を与える」などと肯定的な評価ばかりが目につく。
他方、ツィッターの反応などを見ると、ネットではややシニカルな見方が多いように感じる。
「五輪よりもっと先にやるべきことがある」「浮かれるなかで福島の問題を忘れてはならない」という論調だ。私もそう感じている。
今も15万人近い福島の人たちが自宅に戻ることができない生活を強いられている。
その人たちの帰還にも影響を与える汚染水の問題が、五輪招致を目指す最終段階になってやっと政府が対策に乗り出すという後手後手の対応が明るみに出たのだ。
東京開催決定で浮かれた報道をしている陰で、本来、報道すべき現実が報道されないままに放置されているのだ。>


水島宏明
法政大学教授・元日本テレビ「NNNドキュメント」ディレクター

2013年9月7日土曜日

福島原発事故対策よりオリンピックが大事?

 2020年オリンピック開催地決定に向け日本も全力投入のようだ。
 しかし、福島第一原発からの放射能汚染水の流出が止まらない。それはレベル3(重大な異常事象)に該当するという次元をはるかに超えている。
毎日、放射能汚染水300トンが海に流出している。このまま進めばチェルノブイリ原発事故でもなかった大規模な海洋汚染に発展する。
 通常の原発の運転停止は、核燃料を原子炉建屋内に封じ込め、水を循環させて核燃料を「安定的」に管理・保管する。
 福島原発ではこの核燃料の「封じ込め・冷却」が不可能化してしまっている。
地震で全電源を失い、核燃料がメルトダウンないしはメルトスルーし、地下水を直接汚染している可能性が非常に高い。
 循環冷却が不可能になり「打ち水」方式で大量の水を毎日欠け続けるしかなくなった。その結果が、放射能汚染された水の大量発生となり、回収できない汚染水は直接、あるいは地下水と混じり海に流出する今回の事態となった。

 韓国、中国、ロシアは勿論、欧米メデイアも汚染水が流出し太平洋全域に汚染が広がることを強く警戒している。
 原発再稼働や輸出などは論外、オリンピック招致に向け、「決定するまでこの事態の報道を止めておけなかったのか」というあきれた話が自民党内ではあるが、オリンピックと原発事故収束のどちらが大切なのか。
 オリンピック東京招致が決定されれば、「原発事故は東京には関係ありません。東京は安全です」と、福島切り捨ての報道、政治が始まるのは目に見えている。
 全力を尽くしても汚染水流出の解決は相当困難な事業だ。しかし、この事故の正面からの解決なくして廃炉への道すら開けない。

 東京でのオリンピック開催は、人々の気持ちを福島原発事故の困難さから目を背けさせようとする意図ありありだ。


 

2013年9月4日水曜日

追想・小林日出幸

何度も会議を重ねた映画製作、日出幸さんの隣は藤橋誠監督
映画製作委員会長としてあいさつする小林日出幸さん
うどんづくりを楽しむ日出幸さん(中央)(2009年忘年会)

 8月31日、小林日出幸さんが亡くなったことは言葉が出ないほど悲しい。
 映画「漂泊」の撮影が終了した翌日の8月6日、病院に見舞った時は、まだ比較的元気で、今後の治療を楽観的に見通していた。
「シナリオが変更され相当いい青春映画ができそうですよ」と言うと、それは楽しみだね、と喜んでいた日出幸さん。
「9月23日の息子のコンサートに行ければいいんだけど」
「石川さんの選挙の応援もしなくちゃね。リーフレットを何枚か置いていって。見舞客に入会申し込みしてもらうから」
闘病中の日出幸さんの一言一言に泣かせられた。
 
 11月頃には完成する予定の「漂泊」も映画製作委員長に小林日出幸さんが昨年就任して初めて動き出した。
 全体がなかなか最初の一歩を踏み出せないなか、「面白くなりそうだから映画づくりやろうよ」の一声で、映画製作を担う人が広範になり、勢いがついた。
「体調がそれほどよくないので激務のプロデユーサーは無理だから、町田さんに頼んでおいたけどいいよね」
 良いも悪いもない、この一言で町田昌美プロデユサー誕生、そして曲者面々の登場となり、初めての映画づくりの現場をこの激暑の夏に初体験した。
 撮影時や打上げの時の写真を何枚か病室でいっしょに見たときの「いい映画になりそうだねえ」の言葉は忘れられない。
 

 書き出せば切りがないが、好奇心の赴くまま生きた自由人、歌い、走り、飲み、学びもシッカリする。
 政治的傍観者かと思えばとんでもない。貫井町長の後援会長もやり抜き、その神髄は性善説。
 今は亡き大塚政義先生の玉村町八幡宮での国定忠治の講演を聞き、しきりに感心していたこともある。
 人間が好きだったんだ、日出幸さんは。今日の葬儀の規模と参列者の表情を見ればそのことがわかる。
そんな日出幸さんが好きだった。

 小林日出幸は生きている。疑う者は「漂泊」をみよ。良寛君を見よ。信君を見よ。

 日出幸さんにもう読まれることのないブログを記す(瞬悠庵はお気に入りに入っていたという)
           涙ながらに合掌



 
 
 
 
 
 

2013年9月3日火曜日

秋を告げる梨が川崎から届く

たわわに実った正果園の梨
持田君の気持ちがうれしい

 大学時代の友人で実際に交流している人数といえば、10人程度といっていい程少ない。
 そのひとり、川崎で梨の〈正果園〉を経営している持田正君から秋を告げる恒例の梨(豊水)が届いた。
 都会の川崎で梨畑などというと、信じられないようだが、なんとも広大な畑を持ち、梨一本で生計を立てている。
 息子さんが後継者になるということも数年前会ったとき、言っていたので順調に事業承継は進んでいるのだろう。
 彼は、バイクなどの趣味も多く、農閑期を見つけては気ままに近く、遠くに足を運んでる。
「梨が届いたよ。ありがとう。また例年も頼むよ」の電話をすると、「わかったよ。秋山にも分けてよ」と返す。
それだけのことだがそれでいい。
 
 もう3年ほど会っていないのでぼちぼち同窓会を考えよう。
会場はご学友が棲息している伊豆、日光、長野そしてわが群馬の温泉ということになる。
 群馬では秋山・石川の共同幹事が生涯忘れられないような企画を毎回立てているつもりだが、印象に薄いようだ。
今回はトビキリ企画で還暦を祝おうか。
 
〈参考までに梨の正果園の住所
川崎市宮前区有馬6-2-20 電話044.866.1517
ひげのオジサンが待ってます。〉
 
 
 
 
 
 

2013年9月2日月曜日

絶賛「阿賀に生きる」

 20年前に制作された映画「阿賀に生きる」は素晴らしいドキュメント映画だ。
 昭和電工の工業汚染水による新潟水俣病に苦しむ阿賀野川流域の村を舞台にした映画で、船大工、餅屋、漁業者とその家族達が登場する。
 誰もがその道の達人で、地域に根ざして生きていく様子が活き活きと描かれ、生きることの力強さをしんみり教えてくれる。
 映画の中の主役達はもうこの世にいないが、山村の生活の素晴らしい場面の中で永遠に生きている。
 今は亡き佐藤真監督達7人も近くの家に3年間居住を共にして、地域の人たちと交流を深め、この作品を作った。
 何年か前に観た韓国映画「牛の鈴音」を思い出した。
 〈シネマテークたかさきで9月6日(金)まで〉