人なつこい猫ちゃん
群馬県玉村町の町長「石川まさお」のブログです。 「瞬間」と「悠久」は決して対立的な言葉ではなく、「瞬間の中に悠久」が、「悠久の中に瞬間」はあります。何かと対立関係で世の中を見ようとする流れに抗すべく、みんなが集える庵を構えました。 新自由主義政策により社会の格差が広がり、荒んでいくのをくい止めるべく、地域に根ざした活動をします。
「偶然と想像」のなかの「もう一度」の場面
県立土屋文明記念文学館で9日から開催された「わらう!太宰治」展に行った。太宰治の幼少から亡くなるまでの歩みを「わらう」をテーマにたどる。谷川温泉や四万温泉を訪ねたことなど群馬との関係も紹介している。会場で学芸員さんの説明もあり、深みのある企画展が始まった。
12月19日まで開催。
山本龍前橋市長が玉村町を訪問し、副町長を交え、いくつかの共通課題を協議した。短期的課題もあれば、中期的課題もある。県都前橋市の隣接自治体として、未来に希望をつなぐ視野の広い町づくりをしたい。これからも交流を深めたい。
南スーダンの選手団を1年9ヶ月間、ホストタウンとして様々な支援をしてきた前橋の山本龍市長から、選手団の帰国報告とサインが送られてきた。コロナ禍でのキャンプ生活は多くの制約があったと思うが、互いに信頼、友情を深め合い、未来に友好を繋ぐ機会になったことは間違いない。 決して大きくはない地球上だが、政治、経済の格差は深刻なもの。同じ時代、同じ地球上に住む者として、また前橋市の隣町に住む者として、この間の南スーダン選手団への対応と今後も南スーダンの平和に関わりを続けるため、スポーツを通して支援をする前橋市の姿勢に心からの敬意を感じている。
疎開保育園を描く映画「あの日のオルガン」
1944年の東京、20代を中心とした若手保母たちが、国の決定を待たず、園児を連れて日本で初めて「疎開保育園」を敢行した。疎開先は蓮田市の妙楽寺、そこでの日常を描いた映画「あの日のオルガン」が玉村町文化センターで8月8日上映される。私はこの映画を2度観たが、多くの人に知ってほしい作品と思い、玉村町文化振興財団にお願いし、この度の上映企画となった。戦争の中で子供たちを守るための行動が、いかに大切で、いかに困難なことかを思い知らされることになるが、そのことが戦後の平和教育につながっていると思う。
8月8日(日)午後2時から玉村町文化センター「にしきのホール」で上映、
チケット一般1100円、高校生以下500円。
「難民からオリンピック選手になったグオル・マリアルの不屈の人生に迫るドキュメンタリー。内戦が続くスーダン。8歳のグオル・マリアルの両親は息子の命を守るため、苦悩の末に幼い我が子を村から逃がす。武装勢力に捕まったグオルは走って逃げることに成功し、難民キャンプに保護される。やがて運良くアメリカへ移住することができたグオルは、初めて走ったマラソンで2012年ロンドン五輪出場資格を得るが、建国されたばかりの南スーダンには国内オリンピック委員会が存在しなかった。“国のない男”と呼ばれ出場が危ぶまれるグオルだったが、国際オリンピック委員会は、個人参加選手として彼の出場を認めた。こうして栄光の舞台に立ったグオルは、祖国南スーダンの人々の期待を背負って走り出す」
この作品がシネマハウス前橋で上映されている。上映初日に観ることができた。戦火の中で死んでいった多くの人々と祖国南スーダンのために不屈に走り続けるマラソンランナーには圧倒される。そこにはアメリカという国の底の深さと厳しさも垣間見える。
今、スーダンの陸上選手たちがオリンピックに向け、ホストタウン前橋で練習している。コロナ禍でのオリンピックはともかく、今後も友好と連帯は強めて欲しい。
シネマ前橋で25日まで上映されている。
王剣峰華為技術日本株式会社会長と記念の一枚
昨日、華為(ファーウェイ)技術日本株式会社の王剣峰会長が玉村町を訪れた。玉村町にはファーウェイの関連会社があり、今後とも変わらぬお付き合いを、という内容だった。「勿論、当然のこと」とお応えした。確かに、昨今の米中情勢は穏やかではない。しかし、大局的にみると、中国の台頭とアメリカの没落過程で起きていることで、日本は日米同盟一辺倒に走りすぎると再び誤りを起こすと考える。
私の叔父は関東軍として中国戦線で戦い、シベリアに抑留され、数年後帰国した。戦争中の非道を具体的には話さなかったが、「絶対、戦争はするな、人間が壊れる」が口癖だった。そして群馬大学医学部へ献体をした。それは叔父としての戦争への償いだったと思っている。
前事不忘 後事之師
そのことを王会長に話したうえで、日中の友好親善を深めましょう、と言った。勿論、日米の友好親善も深めたい。
片亀光さんがお薦め本を持って来た。私もお薦め本を差し出した。期せず斎藤幸平著「人新世の資本論」だった。私の本は第二刷、片亀さんの本は第九刷、とにかく売れているらしい。34才の著者の真っ直ぐさに共感する。
晩年マルクスの到達点を脱成長コミュニズムと説く。「SDGsもグリーンニューディールも、そしてジオエンジニアリングも、気候変動を止めることはできない。資本主義が引き起こしている問題を、資本主義という根本原因を温存したままで、解決することなどできない。1%の富裕層、エリート層が好き勝手にルールを変えて、自分たちの価値観に合わせて、社会の仕組みや利害を作りあげてしまった。冷笑主義を捨て99%の力を見せつけてやろう」と。頼もしい限り。
卒業生からの寄せ書き達磨の贈り物