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最優秀作品賞「野火」を観た。人肉を食べるまでに追い詰められた戦場の非人間性、残酷さを描いた塚本監督の反戦の思いを強烈に感じる作品だ。
こんなシーンは見たくないけど、これが戦争の実態、この悲惨
を人間に強制しないためにも、戦争回避は政治の第一義的役割と考えるが、安倍などは戦争回避のための抑止力として軍事や戦争を使おうとしている。それが戦争を呼び込む政策でしかないことに気づこうとすらしない。
「シャーリー&ヒンダ」は92歳のシャーリーと86歳のヒンダが電送車いすを操り、さまざまな人を質問攻めにし、「経済成長」について答えを探す姿を追う。ウオール街での大金持ちのパーティーに入り込み、そこで経済成長の意味をひつこく問い、丁重に追い出されたり、大学キャンパスに仲間の高齢者達と入り、休息中の学生達にビラを配り、トラメガで「経済市長なんていらない」とアジるシーンにはしびれる。
「美術館を手玉にとった男」は、全米中の美術館や教会に、30年に渡り自ら作った贋作を贈った男のドキュメンタリー。
FBIも捜査に乗り出すが、すべて彼の「作品」を無償で寄贈しているので罪に問われなかった。
彼は病院に定期的に通い、「自殺願望はある?」「幻覚はある?」と医師から聞かれ、「ない」と答えながら薬を処方してもらい作品をつくり続ける。
本物と偽物、どこが違って、どうして悪いの、という本質的な問題にまで考えが及ぶ作品だ。
さて、上記の映画を観たとき、アメリカ大統領選を想起する。
共和党トランプ、民主党サンダースが際立っているが、「妄想のトランプ」、「希望のサンダース」と言う人もいる。
それはともかく、ひときわ際立つ御仁が大統領選に登場したアメリカ、やはり病んでいる証拠だろう。
その妄想トランプ発言が逆に真実を教えていることもある。
「日本安保は不公平だ。もっと日本に金をださせろ。さもなくば米軍撤退」と主張する。
安倍首相らのいう「日米安保は不変、日米の絆を強める」などという観念こそが妄想であることを逆に暴き出している。民衆が本気でたたかいだせば辺野古基地建設はつぶせる。
アメリカ大統領選そのものがドキュメンタリー映画になりきっている。
仕事や行事で毎日映画館に張り付くわけにはいかないが、5時以降2作品鑑賞の気持ちでいる。とりわけ、最終日4月10日の、江戸時代、実際に起こった「山中一揆」を題材とした「新しき民」には注目している。
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