映画祭会場のひとつ、高崎市文化会館 |
やはり忙しかった年度末の仕事やらがとりあえず終わり。昨日は午後から高崎映画祭へ。
「リンダリンダリンダ」「故郷の詩」「たまの映画」「こっぴどい猫」の4作品を観た。
山下敦弘監督の「リンダリンダリンダ」は5回目の観賞となる。
前橋工業高校がロケ地でもあり、またこの手の青春映画が趣向でもあるので、ついつい何回でも観てしまう。
ブルーハーツの歌の選曲が気に入っている。
〈ドブネズミみたいに美しくなりたい。写真には写らない美しさがあるから・・・〉
〈終わらない歌を歌おう クソッタレの世界のため
終わらない歌を歌おう 僕や君や彼らのために
終わらない歌を歌おう 明日に笑えるように〉
「故郷の詩」「たまの映画」「こっぴどい猫」はそれぞれ監督の舞台あいさつ付き。
しかし、午後から映画4本を観るとなると、どうしても途中眠くなり、意識不明となる時間帯がある。
今回の犠牲は「故郷の詩」だった。最後の勢いのいいノリノリの音楽で目が覚めたが、内容は夢の中、それでも嶺豪一監督の舞台あいさつで、映画の感覚は取り戻した。
「たまの映画」、「たま」には関心なかったが、映画ができたこと自体に関心を持ち観たら驚き、なかなかの内容、特に知久寿焼という人を初めて知った。
虫の採集や飼っている亀を紹介する時の彼のうれしそうな顔がいい。俗欲にまみれず甲高い声で歌う歌は優しさに満ちている。
この映画をつくったのが今泉力也監督、一緒に映画を観ていて、会場の最前列(私もそこにいた)からの登場だが、これが風采の上がらない長髪にひげのお兄さん。
すこし前屈みで話すから何か自信なさそうにさえ見える。
しかし、ドキュメンタリー「たまの映画」を観れば、なかなかいいセンスをしている。
これで帰ろうか、と考えていたが、次の「こっぴどい猫」も今泉力也監督の作品と紹介され、つい興味津々観てしまった。
この映画、「モト冬木生誕60周年記念作品」という打ち出しでつくったもの。
これが実に面白い。ほぼ満員の会場から笑いがあふれ出し、上映後、拍手が起こったほど。隣に座った女性は身体を揺らして笑っていた。
総勢15人の男女が織りなす三角関係の妙ちくりんさが面白い。人生、案外こんなものかもしれない、と再度確認できた名作?。
上映後、舞台あいさつでの今泉監督、その風采の上がらない俗の姿とは別の人物に見えた。
〈ドブネズミみたいに美しくなりたい。写真には写らない美しさがあるから。〉
4月1日午後1時からシネマテークたかさきで再度上映される。仕事サボっても観た方が人生豊になること請け合い。
今日はこれから玉村町勤労センターで映画「漂泊」の最終オーデイション、さあて、どんな人が主役級になるのだろう。
こちらも映画を観る目を養ってきたからねえ。いい映画つくるよ~。