鳩山首相、育ちも人柄もよく、真面目そうなのも理解するが、普天間問題で結局は辺野古はないでしょう。「勉強したら海兵隊の抑止力の必要性を理解した」とか。海兵隊はイラクやアフガンに真っ先に行き、突撃するもっとも危険で暴力的な部隊なのに、その暴力性を「抑止力」としてそれにすがる防衛とは何だ。日米安保はいつか日米同盟と化し、アメリカの世界戦略に深く取り込まれてきた自民党の「安全保障体制」を変えるのが政権交代だろう。日本はあくまで、専守防衛の範囲でのアメリカとのつきあいだけにすべきで、中東にまでその範囲を広げるアメリカに対し、そこまではできません、と言うのが新政権の役割のはず。「普天間基地閉鎖、撤去」でいいんだ。「軍事による安全保障」を「人間と環境の安全保障」に少しずつ変えていく外交力が決定的に求められている。
一方、我々もすっかり舐められていることに気づく必要がある。ハーバーマスの「晩期資本主義における正当化の問題」で、科学技術は進展し、識字率が高くなっているのに、何でそんな事信じちゃうのという場面がしばしばある。それは「順応性の気構え」ということ。ある情報について一つ一つ検証していけば、全部検証する基礎的な学力、能力はあるが、情報量が膨大である場合、一つ一つ検証していたら時間もかかるし疲れてしまう。とりあえず、メデイアに出る知識人の発言を正しいと受け止める気構えのこと。ワイドショウのコメンテイターの発言をとりあえず確かだろうと受け入れる。これが「順応性の気構え」、ほとんどの発言は、中国や北朝鮮の危険性を声高に叫び米軍の役割を不可欠のものとしての発言がほとんど。これでは、「普天間基地は危険だけど、どこかに移設場所を確保しないと国が守れない」などという予断が確立してしまう。反対側からの発言、検証姿勢がない中で、我々は本当の所を理解することから遠ざけられている。
本当のところ、基地を減らしながら様々な安全保障の組み合わせで近隣諸国との善隣関係を強化する道を探った方が後々いいと断言できる。
昨日、再入院した藤岡の平居先生を秋山、岩城さんと一緒に見舞った。夕暮れ時の訪問にも関わらず先生は喜んで迎えてくれた。4度目の見舞いになるが、少しやせた様子だった。
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