みんな寿命を全うしようぜ

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西表島で会った昼の蝶

2010年11月4日木曜日

「不射の射」を理解できない前原外相に外交はできない

最近、中国アニメ「不射の射」を観た。春秋の時代、弓の道を究めたいと思った若者が、名人を訪ね教えを請うたところ、弓を持たせず「瞬きをするな。目を開いて寝ることができるようになれ」という。若者は数年かけて目を開けて眠れるようになった。次は「字が見えるようになれ」といわれ、放浪者から虱を買い込み、糸につるし何年も眺め、字が見えるようになった。そして弓を射た若者は見事な腕前になっていた。しかし、1番の名人を目指した若者は、師に紹介された山の上に住む仙人のような老人の所に行った。老人は若者に山頂にある足場の悪い岩から鳥を射るように言うが、とても足場が悪くて矢は当たらない。老人は弓を持たず矢を射たような格好をしただけで鳥は落ちた。
やがて弓を極めた若者は年齢を重ね田舎に帰った。その顔の表情は村を出たときのがむしゃらな顔つきとはうって変わり穏やかな顔になっていた。村人はその腕前を見せて欲しいとせがむが彼は決して弓を取らない。その評判を疑った者が夜、彼の家に忍び込むが失敗した。誰が忍び込もうとしても必ず失敗する。そして村人の悩み事や争いごとは彼の仲介で何事も解決した。そして生涯、彼は弓を引くことがなかった。

このような話は中国にはたくさんある事は日本人も知っている。歴史が違うのだ。中国がどんな政治体制でもこの長い歴史感に裏打ちされた深い思いが行動原理としてある。それを理解しようとしない外交感覚では前へ進まない。
前原外相はじめ日本のメデイアはいう。「1895年1月14日の閣議決定で「無主の地」である尖閣列島を日本領に編入し,それ以来実効支配してきた」と。この時期は日清戦争の時期であり、それは明治政府が帝国主義列強に伍して、朝鮮と台湾の権益を手に入れるための侵略戦争だった。弱り切っていた清朝中国がその時点で異議を言わなかったから日本の領土と認めたといえる、という論調には異を唱えたい。
尖閣列島(釣魚島)は中国大陸の大陸棚に位置しそこから海へ突き出している。そこから沖縄トラフがあり沖縄諸島となる。沖縄トラフとは東シナ海で最も深い海底。地勢的に言えば、沖縄諸島と中国大陸を隔てているのが沖縄トラフ(深海)。過去において豊かな漁場として、台湾の漁民が漁業に従事し、島で休息などしていた。
さあ、尖閣列島(釣魚島)どうしたものでしょう。日本国内だけに通じる薄っぺらな観念論だけでものを語る前原外務大臣では、中国には到底通用しない。
「不射の射」の心を学んだ方がいいかも。
つっぱてるうちにロシア大統領が北方領土に足を踏み入れた。鼻っ柱だけで哲学のない政治家ばかりではこの有様だ。そして日米同盟の強化しか考えられない「鋳型思考」がまた悲しい。

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