14日荻窪駅北口での太郎と沢田研二
今回の総選挙は右翼的潮流が一気に跋扈する非常に危険な状況になっている。
小選挙区制がその原因であることは間違いない。
小泉の「郵政改革」で大きく自民党に振れ、新自由主義政策による極端な格差社会の到来に危機感を持った有権者が民主党に投票し、新自由主義からの脱却を求めた。しかし、その民主党がまともに機能せず小沢一郎との内部対立に終始したような状況になってしまった。
代表になった野田は自民党と見まがうばかりの政策(消費増税、TPP推進、原発再稼働等)を打ち出し、多くの民意を裏切ってきた。
自民党にすれば自民党みたいな野田民主党と違うと言わんばかりに持ち出してきたのが、国家主義丸出しの安倍カラー。
今や憲法が危ない。憲法は権力者をしばるもの、権力の暴走に歯止めをかけるものとして存在する意味がある。それが憲法だ。
「国権の発動たる戦争と武力による威嚇又は武力の行使は,国際紛争を解決する手段としては永久に放棄する」「国民の思想、良心、表現の自由は保障する」等々として、戦争行為を手段としない国際紛争の解決を権力者に命令しているのだ。基本的人権を踏みつぶすな、と権力者に命令しているのだ。
壊憲論者たちは憲法立憲主義の意味を意図的に無視し、憲法を権力者の民衆支配の道具に変えてしまおうとしている。
今回の選挙の本質はここにある。改憲などしていいことなど何もない。思想、表現行為、信仰の自由すら制約され、国家主義が全面に踊り出す全体主義の戦前社会がもう一度再現されてしまう。
マスコミ報道や社会の一面的な気分に騙されてはいけない。自民や維新を蹴散らす勢いを持とう。
東京8区で孤軍奮闘している山本太郎に注目したい。
社会のあらゆる理不尽さに絶えかねた38才の山本太郎の決起に多くの民衆の支持が広がっている。このうねりの中に新しい潮流があるだろう。
ヒトラー・ナチスが選挙で権力を握ったことも忘れてはならない。民衆が手を貸してしまったのだ。
しかし、社会は選挙だけで動くものでもない。それに抗う民衆運動が権力の暴走の歯止めとしてキチンと機能することを銘記したい。
戦前の歴史に学ぶ必要性が今こそありそうだ。
以下、山本太郎の演説を紹介する。
こんばんわ、山本太郎です。今回、衆院選に杉並から立つことになりました。石原軍団と激突です。僕は兵庫県の出身なんですが、ここ杉並から立つ意味はすごく大きいんですよね。ここ杉並は反核運動が生まれた街なんです。1954年、一人の主婦から始まりました。お子さんを持った一人のお母さんが、署名を集め始めたんですね。ここから5分ぐらいの所にある中央図書館、公民館で原水爆の実験をやめてくれと言う内容でした。それが何千万人規模の運動になっていったんです。日本を変えた、世界を変えた。それが、なんと部分的核実験の禁止条約につながっていくんですね。すごいじゃないですか。それが杉並なんですよ。それぐらいのエネルギーを持った街なんです。杉並から山本太郎が立つ理由、その一つはそこです。 もう一つ、3・11以降、原発事故がありました。その後、原発と放射能に対する不安を大きな声でいろんな人と話す空気じゃなかった。でも杉並、高円寺で行われた1万人以上のデモの中で、自分が思うことを素直に吐き出していいんだと。自分の思っていることも言えないような世の中なんて最悪ですよね。たとえ意見が違ったとしても、いろんな人の意見を混ぜ合わせて妥協点だったり、いろんな方向性が見い出せると思うんです。山本太郎が杉並から立つ理由、二つ目はそこです。 そして最後に、山本太郎がどうして杉並から立ったのか、それは自民党です。原発の歴史をつくったのは自民党。もちろん3・11以降の原発事故による被害、放射能の拡散、それを隠し続けて事故を矮小化し、マスコミもぐるになって僕たち国民をだまし続けた民主党。3・11以降の地獄は民主党がつくりだしたものです。でも前の土台となる部分、それは自民党がつくり上げたものなんですよね。今の自民党の中枢にいる象徴的な人物といえば石原さん、石原ファミリーなんですよ。いま危機的なこの日本の状況を、大きな資金力や組織力はないけれども市民のみなさんとつながって、この大きな敵、日本を売り飛ばそうとする者たちと対決して突破すること、それは大きなエネルギーを日本中に送ることになると思うんです。日本が変わるきっかけは、ここ杉並からつくろう、杉並から変えられるんじゃないかと思ったんです。山本太郎が杉並から立候補しようとした理由はそれです。 とにかく今、ひどすぎるんですよ、世の中があまりにも。いきなり衆議院解散してね。テレビの報道を見ても偏向報道だらけ。この国に存在する政党は自民、公明、民主、維新。ちょっとだけ、みんなの党。それぐらいしか報道されていない。いろんな党が乱立してとか。そうじゃないんですよ。今回の選挙の一番のテーマは、命を守れるかどうかなんです。命を守ろうとする者と、命を売り飛ばそうとする者、その2極の闘いなんですよね。その中で自分に何ができるのか。議席を取って、しがらみだらけの政治家たちがなかなか口にできないことをストレートのものを言う、自分にはその役目ができる。それだけじゃなくて、政党が乱立して、ものごとのフォーカスがずらされている事実をみなさんに伝えなきゃと思ったんです。命を守ろうとする者と、命を売り飛ばそうとする者、その2極の闘いなんだということを、日本全国のみなさんにお伝えしたかったんです。 地震大国の日本は今、地震の活動期ですよね。先日マグニチュード7・3の地震があった。翌日はマグニチュード7・4と訂正された。専門家によると、この先マグニチュード8クラスのものがやってくる警告と受け取っていいと。そのような状況の中で原発が動き続けている。原発は止まっているだけじゃ安全じゃない。一刻も早く廃炉作業に入る手続きを踏まなければならない。 そのような状況の中で、原発推進と言っている勢力もある。その一方で「脱原発」の皮をかぶりながら、段階的停止みたいな、2030年代までにみたいな、1日も長く原発を続けてお金を手にしようとする人たち。そういう大きな勢力がマスコミと一体となってわれわれに本当の情報を渡さないんですよね。 本当に危険なんです。今は地震の活動期。福島の東電原発、本当に収束していますか。関西電力大飯原発3号機、4号機、その下には活断層が通っている。なのにまだまだ動かすか。増設までするか。どんどん再稼働して一体何がやりたいんだ。 福島の事故、これは同心円の中に閉じ込められているんですよね。汚染は広がっていませんよというアピールだらけなんです。しかも同心円上、30キロ圏内だけじゃないですよね。でも福島のキーワードの中にしか汚染はないような工作がずっと続けられていますよね。福島差別をつくり出しているのは、政府であり、政治家であり、メディアなんです。 今回の福島東電事故、それによって広がった放射能汚染、それは東日本一帯なんですよ。もちろんすべて均一ではない。ホットスポットとして点在しているんですよ。みなさん、放射能汚染は東京には汚染はないとお考えですか? とんでもない。福島東電原発が爆発して、その後、放射能雲になりました。放射能プルムは東京方面に進んできた、途中さえぎるものはなかった。新宿の高層ビル群にぶつかって、降り注いでいるんですよ。その放射線量、岩手県盛岡市に投下したものの100倍だと言われています。ここ杉並は大丈夫ですか? わからないですよね。東京もわからない、東日本もわからない。調べないからわからないんです。 どうして調べようとしないんでしょうか。簡単なんです。原発からのうまみをあきらめられない企業、その利潤にしがみつく人々、1%の人々がコントロールしようとしているんです。放射能の拡散がばれてしまうと、原発によるリスクがみなさんに知れ渡ってしまう。だとしたら、原発がなくてもエネルギーが足りている状況の中で原発をやめろと言う声が大きくなってしまうんですね。 そんな、テレビや新聞が本当のことを流さないないなんてとんでもないだろう。でも違うんですよ。テレビ、新聞はお金がもらえれば僕たちの命にかかわることでも売り飛ばすんです。情報を制限するんです。東京電力、1年間に260億円ものお金を使って、メディアに対して広告宣伝費を払っています。もちろんみなさんの電気料なんですね。260億円くれる人に文句が言えるか、260億円の口止め料をもらえれば、みなさんの命のかかわることでも本当の情報を流さないんです。 事故はまだ終わっていない。収束の仕方さえもわからない。溶け落ちた燃料がどこにいっているのか確認することさえできない。近くに寄れば即死です。この燃料の在処が分かるまでに何十年かかるかわからない。収束ということで考えれば何百年単位かもしれない。 チェルノブイリの事故、26年前にありました。僕、去年行って来ましたが、まだ収束作業が続いていますよ。野田総理は福島の事故を小さく見せるために、収束宣言なるものをしましたが、それによって危険な作業を安い労働で自分の命を削りながら、僕たちにチャンスを与えてくれている収束作業員のみなさんがいらっしゃるんですよね。1万円そこそこのお金で、自分で宿代も、ご飯代も払って、僕たちにチャンスを与えてくれているんですよ。その人たちがいなくなったら、僕たちもう命をつなげない。 今僕たちがやることがあるんじゃないですか。メディアが垂れ流すうそを見極めて、これから先どういう世の中にしていくのか、一刻も早く方向転換していかないともたない。今、地震の活動期です。エネルギーは足りている。今年の3月26日から東京電力管内にお住まいのみなさんは、最後に止まった柏崎原発が止まってから、1ワットも原発電力に頼っていない。もちろん主力は火力発電ですが、天然ガスを使えば一度で2回発電できる。CO2の排出も抑えられ、環境への負荷も少ない。調達ももっと近場から入れられるんですよ。なのにどうしてテレビでもっと大きく宣伝されないのか。簡単なんです。原発にかかわるスポンサーからのお金に目をくらまされているんです。お金と僕たちの命がバーターにされている。こんなこと許せますか? 僕は許せないんです。 3・11があるまでこんな世の中のことなんて何も知らなかったんです。情けない大人です。30代の後半に突入して、この大きな事故に目が覚めたんです。原発というものから少しづつ自分自身の目が開いてきて、社会にはいろんな問題があることに気づかされたんです。この原発も社会の弱い立場にある人たちにしわ寄せがどんどんいっている。事故がなくても日常的に被曝する仕事なんです。僕たちが使っていた電力は人の犠牲の上に成り立っている電力であったんです。今それを知ってしまった以上、そして別の方法があると知った以上、これを認めることはできない。今やめなければいつやめるんだ。 自民、公明、維新、彼らが連立政権を組むような勢力になってしまったら、この国は恐ろしいことになってしまいます。原発は推進され、憲法9条は変えられ、国防軍と名乗り、そして軍備は増強され、核兵器は保持、その先に何があるでしょう。想像力を働かせればわかりますよね。徴兵制も可能性としてあると思います。すでに維新の石原さん、橋下さんはそれについてコメントしていますよね。 あなたの一番大切な人を、あなたの子どもを、あなたの恋人を、あなたの兄弟を最前線に送り込めますか? 経済的に苦しくなれば何年間かに1回、戦争を繰り返すアメリカ。アメリカのために戦争に駆り出される、そのような現実が今迫ってきているんです。原発をあきらめきれないのもここなんですよね。アメリカ国内ではもうできない、だけど中国、ロシアと原発・核開発で負けたくない。だから変わりに日本が代理でやることになっているんです。そんなことありえますか! 僕たち一体どこの国に住んでいるんですか? どうして自国民に対してこんなに愛情がないんでしょうか。 僕たちに与えられた食品の安全基準ご存じですか? みなさん、今日食べた朝ご飯、安全ですか? これから食べる晩ご飯、安全な食材ですか? この事故を矮小化するために、汚染された地域もごまかされている。そして本来ならば事業者である東電、それを後押しした国が補償・賠償すべきなのに、それをしたくないばっかりに、今回の事故における汚染は隠されています。それによって僕たちが食べているもの、全国に流通しているものに、汚染食品が混ざっています。国が認めた安全基準、1キロあたり100ベクレル。100ベクレルって何だ? よくわからないですよね。1キロあたり100ベクレルは、この事故が起こる前は、放射性廃棄物として黄色いドラム缶の中に入れて厳重に管理しなければならないものでした。そのことがまったく報道されていない。 テレビ局のみなさん、新聞社のみなさん、お金のために僕たちを売り飛ばすんですか? 力貸してくださいよ。自分たちが書く記事、1行に僕たちに気づきを与えるような記事をくださいよ。僕たちがテレビで見る5秒間のコメントの間にだけでも、僕たちがみんな気づけるようにそんなコメントを差し込んでください。闘ってくださいよ。命を守ろうとする僕たちは、あなたたちの命も守りたいんですよ。全員でこのまま、日本全国中が内部被曝し続けて、この先に未来なんかありますか? 放射性廃棄物と同等のものを食べて安全と言われる僕たちの国、一番最初に影響を受けるのは誰でしょう? 子どもです。若い人たちです。細胞分裂活発ですから。彼らが原子力に対して何か意見が言える立場だったでしょうか? 違いますよね。その子どもたちにしわよせを、僕たちが生み出したものをかぶせるのか。今変えなければ、いつ変えるんだって話なんです。事故前、僕たちはどのくらいの数値の食べ物を食べていたか、ご存知ですか? キログラム当たり0・1ベクレムから0・2ベクレムだったそうです。だとするなら、今この国が僕たちに与えた安全基準、僕たちが以前食べていたものの1000倍ですよ。安全基準を1000倍に引き上げられたとしても僕たちの体いきなり1000倍強くなりますか? どうしてこんなことを、本当のことをたくさんの人が知らないんですか? 原子力という名の既得権益のもとにコントロールされているからです。情報操作は当たり前。電力会社、電気メーカー、三菱、日立、東芝、その下に建設業界、そして銀行、保険。間に大手広告代理店をはさんで、同じ利権を守りたい、お金がほしいだけのメディアに僕たちはだまされつづけるんです。こんなことがあっていいですか? 今変えましょうよ。力貸してもらえないですか! 山本太郎、お前目立ちたいだけだろうと。芸能界でこういうの悪目立ちっていうんです。こんなの何の得にもならない、自分の職業のこと考えたら。でもね、職業なんてどうでもいいんです。その前に自分自身が生きていたい。でも、世界中にひとりぼっちでは意味がない。みなさんが生きていてくれないと困るんですよ。他者が存在して始めてこの世界って成り立つじゃないですか。僕も生きてたい、みなさんにも生きていてもらいたい。 そのために12月16日の衆議院選挙、変えたいんですよ。みなさん、力を貸してもらえませんか。このままじゃ終われない、悔しい、あまりにも。ここまでなめられて黙っていられるかって話なんです。これ以上なめられるってことは、自分たちの命、子どもたちの命、大切な人の命を奪われるってことなんです。そんなこと絶対に許さない、最後まで抗います。みなさん、力を貸してください。僕を国会に連れて行ってください。お願いします。杉並の汚染、東京の汚染、東日本の汚染、僕に調べさせてください。そして汚染食品を止めさせてください。 みなさんの力が必要です。よろしくお願いします。ありがとうございました。
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