以前より、被災者に向き合う真摯な対応には注目していたが、今後はより広範にそして深く社会を変える姿勢を鮮明にして行くことだろう。
その一部を転載する。
野田正彰氏基調講演(7)震災は国家の危機であり住民の危機ではない
災害の中で常に求められるのは強い国家です。そして強い指導者です。結局、多くの被害を被ったのだから、国家が強くないといけない、経済が強くないといけないといって、引き締めが行われてきたわけです。
常に震災の中で出てくるのは、国家の危機です。住民の危機じゃないですよ。国家の危機であると。だから国家の危機に対抗するために一丸となって頑張らないといけないという主張になって、そしてそれは、治安維持法的な、批判する勢力をつぶして、そしてそれを対外的な緊張をあおりながら国家主義を強化していくという流れは、常に私たちがやってきたことです。だから、この災害の中でも、多かれ少なかれそれが進行していくということについて、非常に敏感でないといけないはずです。
だけど、振り返ってください。わずかまだ2年半しかたってないけれど、何が行われたでしょうか。私は、十分ではなかったと思いますけれども、当時の菅首相は精いっぱいいろいろやっていました。あれを引きずり下ろした勢力というのは、おそらく誰か、あそこまで彼をたたかないといけないというのは、なぜかというのはよくわかりません。多分にアメリカの勢力が関わっているのかもしれませんけれども、落としましたよね。その後ずっと、結局、例えば災害地でも自粛ということが言われたのですけれど、自粛していたら災害地にお金が落ちないから、もっとお金を使いましょうとか、被災地に行きましょうとかいう話ですね。そして、いまだに、がんばろうコールは、あちこちに張ってあります。そういう中で、私たちは結局、経済が強くないと被災者へも援助が行われませんということがささやかれる状況に今、あります。その焦点がオリンピック招致であります。オリンピック招致をして、経済が活性化すればいいということですね。
もう、あのオリンピックなんかで、私たちの社会に、いかに法治意識がないかということを私は思います。皆さん、どうでしょうか。オリンピック招致は国会で決まったのですか。決まってないでしょう。しかし総理大臣から全部が行って、変な口約束をしております。オリンピック委員会なるものは、150人のあの委員は、一体誰が選んだのでしょうか。国家が選んでいませんよ。いい加減な組織です。
今、世界は、地球は国家によって法律が決められて、それで国際組織というのは国連にということで一応法律があります。国連の委員とか何とかがお金を取ったりしたら、法律で裁かれますよ。国家公務員だってそれは裁かれますよ。しかし、無尽蔵に賄賂が行われるのがオリンピックの委員です。現実にお金がどれぐらい使われているかわかりませんけれども、さまざまな、例えば家族をファーストクラスで呼ぶとか、それから、癒着している日本の私立大学はオリンピックの委員を名誉博士だとか名誉教授にするとか、そういうところからも、あらゆることでの賄賂が行われています。
この前、国際放送を見ていますと、マドリッドのほうが招致のための活動に30兆円使った。だけど、もうこれ以上使えないと言っているのが放送されておりました。日本は幾ら使ったのでしょうか。そのお金はどこから出たのでしょうか。こういったことが横行して、そして、これぐらいのお金を使いながらも、社会の矛盾をすり替えて、金もうけに使われていくということ、それが東日本大震災を超える道だという論評が展開されるような社会に私たちは生きているわけです。続く(し)
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