9日、玉村町議会最終日、下記のような脱原発の意見書を全会一致で採択した。なかなか難しいかな、とも思っていたが、ちょっとした作戦で流れをつくっていったつもりだ。
玉村町議会の場合、委員会審議の前に一般質問が行われる。
そのため、一般質問を「原発事故情勢下での安全・安心な暮らしのための施策を問う」として、原発事故の先の見えない収束状況、内部被曝と外部被曝の違いと長期にわたる特に子どもたちに与える影響、チェルノブイリ事故でどんなことが起こったか、福島で起きている問題はこの町にも無関係ではない、放射性物質の混じった汚泥は事故原発の石棺用資材として使え、事故がなくても放射性廃棄物の処理が不可能なまま進めてきた原子力政策の無責任性などを質問に入れた。
議場内にいるすべての人が受け入れやすいように、知識のひけらかしとして反発のないよう気を使いながら質問した。
思いは福島の人たちに連帯して脱原発の声を上げようということ。
他に3人の議員が放射性物質に関して質問をするなど原発事故に関心が高い状況も手伝って一気に採択した。
【原子力発電を廃止し安全で再生可能なエネルギーへの転換を求める意見書】
平成23年3月11日に発生した東日本大震災により、東京電力福島第一原子力発電所が事故を起こしました。この事故により、東日本とその周辺広範囲で放射性物質が検出されています。群馬県でも文部科学省と合同調査を行い、山間部で平常時より比較的高く、平野部ではそれより低め、と公表しています。また、玉村町をはじめ、各自治体や民間団体でも線量測定を行っています。玉村町内の子供をもつ家庭では、放射線被害を心配して、今後の子供の健康に不安を抱いている家族が多くあります。群馬県では、年内に放射能の専門家による有識者会議を設置し、子供の甲状腺検査実施にむけた検討をしています。
放射性物質に汚染された土壌の除染で、土をはぎ取るなどして発生する汚染土壌の量は、“東京ドーム23杯分”と試算されています。その中間貯蔵を30年以内とし、その後最終処分を完了させる、との工程表を示しています。しかし、福島県内では汚染された土壌の処理に困っている状況に加えて、農産物・畜産物の被害も多く出ています。それらの費用を国が負担して下さい。
原子力発電に使う燃料は放射性核物質であることから、それから漏れる放射線は生物に大きな影響を与えます。放射線による外部被曝と放射性物質による内部被曝があり、被曝量によっては、数年後になって人体に症状が出てきます。福島県では、18歳以下の子供の甲状腺検査を始め、生涯にわたってチェックします。
日本列島は活断層が多くあり、3つのプレートが1箇所で接する3重点が2つあるなど、極めて複雑な様子を示しているといわれています。原子力発電所は海岸の近くに建設され、地震・津波にさらされる立地にあります。ひとたび事故が起こると、取り返しがつかない大きな被害が発生します。大金が必要になるだけでなく、人間と自然界の生物全般に極めて悪い影響を長期間与えます。
原子力発電を主力としたこれまでのエネルギー政策を、CO₂を削減しつつ安全で再生可能なエネルギーに転換することが、これからの日本の歩む道です。
日本の将来を担う全国の子供たちが、原発事故の不安がなく環境にやさしいエネルギー政策のもとで、のびのびと安心して育つ環境づくりが必要です。
今後、可能な限り早期に、原子力発電を主力としたこれまでの国のエネルギー政策を、CO₂を削減しつつ安全で再生可能なエネルギーに転換して下さい。休止中・点検中・建設中・計画中・高速増殖炉等の各原発を順次廃止して下さい。
CO₂を削減しつつ安全で再生可能なエネルギーに転換する財源は、これまでの原子力発電と核燃料再処理工場などの経費を当てて下さい。
電力不足について、東京電力は今年の夏のもっとも気温の高い日で最大電力4,922万KW、供給電力は5,460万KWを確保していました。昨冬は、1月~2月にかけての最大電力が5,000万KWを超えていますが、今冬も今夏と同様に、節電があれば十分乗り切れます。
各地の自治体や企業が、メガソーラー発電・小水力発電・バイオマス発電・風力発電等の設置を計画し、進めています。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。
平成23年12月 9日
(提出先)
内閣総理大臣 野田 佳彦 様
経済産業大臣 枝野 幸男 様
玉村町議会議長 浅見 武志 □印
石川様
返信削除3月におきた 震災そして原発事故がおきてから
小さな子供を抱え
放射能のことでずっと不安な思いをしておりました
このような活動をされていること 心より感謝いたします
これまでは 家族の健康を守りたい気持ちでいっぱいでしたが
これからは たくさんの子供たちが安心して健康に暮らせるよう
小さな声ですが 精一杯上げていきたいと思います
本当にありがとうございます
堀越