議会だよりの作成に関し、福島県川俣町議会が視察研修に来た。吉岡町と玉村町はその評価は高いらしく、過去においてもいくつかの議会の視察はあった。
しかし、川俣町の議会だよりを読んだとき、全く違う感想を持った。
川俣町は事故原発から40キロから50キロに位置する。原発の交付金等の恩恵はまるでないなか、事故被害により今も大変な状況にあるということ。
NO141号平成24年5月1日発行の議会だよりに「原発事故現場を視察」という記事の一部を抜粋する。
<町議会は去る3月27日東電福島第一原発事故現場を視察した。町議会のみならず町当局も同行すべきという観点から町長や課長など22名で現場に向かった。
…中略・・・原子炉建屋に近づくとバスの中の線量計の数値は跳ね上がり230マイクロシーベルトから300マイクロシーベルトという高い線量であった。現場の状況はまさに百聞は一見にしかずである。
津波によって電源が消失したと言っているが、津波の直接被害は海側にあるタービン建屋であり、原子炉建屋は山側である。
それは1号機原子炉建屋裏側の送電線鉄塔が地滑りで倒壊し電源を喪失したものであり、津波が来る前に原子炉建屋内部では地震による配管の破壊や変形、ずれによりトラブルが発生し、メルトダウンに繋がったことが現場を見れば一目瞭然である。
津波のせいにするのは原賠法の保険免責事項を適用させるためのものであることは明白である。
今、マスコミなどでコメントを出している学者や評論家は一度現場に足を運ぶべきだろう。
現場を知らない者が現場を説明するから混乱が起こるのである。
一人でも多くの人が未だに高濃度放射線を放出する事故現場に注視すべきである。(総務文教常任委員会)>
地震による地すべりで倒壊した外部電源用鉄塔の写真もある。
出席した議員に町全体がこのような認識なのか尋ねると、そうだ、と言う。
政府や東電が「津波原因説」を吹聴しているが、現場を知る人をだますことはできない。
問題なのは、原発事故現場から遠く離れて生活している我々の意識だ。
原発事故一色に染められてしまっている周辺自治体の住民の怒りや不安をどのように共有し、安全な未来へと向かっていくのかという大きな課題は、まず、現実を直視することであり、原発再稼働ではないはずだ。
その意味でも毎週金曜日の首相官邸前での抗議集会の意味は大きい。
福島も沖縄も日本にとりかけがえのない地域なのだから、みんなで守るという意識が必要だ。
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